【医師が解説】ケミカルピーリングは「効果ない」は本当?分かりやすく解説
「ケミカルピーリング受けたけど効果がないな」
「ケミカルピーリング受けてみたいけどSNSでは効果ないって言われてるし…」
皆さんはこのような疑問・お悩みをお持ちではないでしょうか?
こんにちは、美容皮膚科スマートスキンクリニックの医師です。
本記事では、ケミカルピーリングが「効果ない」と言われる理由を美容皮膚科の専門的立場から分かりやすく解説し、あなたの悩みを解決します。
【結論】ケミカルピーリングは「効果ある」
結論から申しますと、ケミカルピーリングは「効果があります」。
主にニキビ・ニキビ跡(赤身やくすみ)・小じわ・しみなどのお悩みに効果があります。
これらはいずれも古い肌を新しい肌に生まれ変わらせるターンオーバーの乱れ(遅れ)によって生じるのですが、ケミカルピーリングはターンオーバーを促進する効果があり、上記のお悩みを解決します。
このように、効果があるのにも関わらず、ケミカルピーリングは効果がないと言われることが多いのはなぜでしょうか?
ケミカルピーリングが「効果ない」と言われる5つの理由
①あなたのお悩みやあなたのお肌状態とケミカルピーリングが合っていない
ケミカルピーリングは万能ではなく、お悩みや肌状態によっては効果が限定的な場合があります。以下のようなケースでは、ケミカルピーリングが適切でない可能性があります。
深いニキビ跡(クレーター状の跡):
ケミカルピーリングは表皮のみに作用するため、真皮層まで達するクレーター状のニキビ跡には効果が限定的です。このような場合は、レーザー治療などの別の治療法が適している場合があります。
深いしみ:
シミの原因となるメラニンが真皮層まで達している場合、ケミカルピーリングでは完全に除去できない可能性があります。このような深いしみには、IPLなどの光治療が適している場合があります。
肌が極度に敏感な場合:
ケミカルピーリングは肌に負担をかける治療法であるため、もともと肌が極度に敏感な方には適さない場合があります。このような方には、まずは肌の状態を改善する基礎ケアを行ってから、ケミカルピーリングを検討する必要があります。
アトピー性皮膚炎など、特定の皮膚疾患がある場合:
アトピー性皮膚炎など、特定の皮膚疾患がある場合は、ケミカルピーリングが症状を悪化させる可能性があります。このような場合は、皮膚科医による診断と適切な治療が必要です。
このように、ケミカルピーリングが適切でない場合もあるため、事前に皮膚科医による診断を受け、自分の肌状態やお悩みに合った治療法を選択することが大切です。
②施術回数が足りていない
ケミカルピーリングは表皮の一部を剥がすことで肌のお悩みを改善します。しかし、もともとの表皮の厚さが場合や、お悩みが表皮の深いところにある場合は一回だけでは効果を実感できない方も多いです。
では一般的にはどれほどの回数、どれほどの頻度で受けると良いのでしょうか?
通常、剥がれた表皮が再生されるまでに約4週間かかります。その表皮の再生とケミカルピーリングのタイミングを合わせることにより、効果を最大限に実感できます。
ですので、当院では目安として「2~4週間に一度のペースで5回」ほど受けることを推奨しています。
③施術後のアフターケアを正しく実施できていない
ケミカルピーリングを受けた後は表皮が剥がれているため、お肌がダメージを受けやすい状態です。
したがって、ケミカルピーリング後に十分な紫外線対策や保湿を行わなければ、ダメージの方がケミカルピーリングの効果を上回ってしまい、「ケミカルピーリングは効果ない」と感じてしまうかもしれません。
④エステでのケミカルピーリングを受けている
一般的には、ケミカルピーリングでは用いられる薬剤の濃度が濃いほど表皮が剥がれる量は多くなります。しかし、現在エステでのケミカルピーリングは極めてうすい薬剤しか使用できないため、わずかな表皮しか剥がすことができず効果も実感しづらくなります。
またエステで行う場合は医療知識がないスタッフが行うことも多いです。
そのため、適切な頻度や施術時間を考慮した施術ができない・施術中のトラブル対応やアフターケアができないことも多く、安全面でも問題がある場合があります。
そもそもケミカルピーリングは医療行為に当たり、皮膚科診療技術を十分に修得した皮膚科専門医ないしそれと同等の技術・知識を有する医師の十分な管理下に行われるべき行為であるとされています。
安全のためにも効果を実感するためにも、ケミカルピーリングは医療機関で受けることをお勧めします。
⑤セルフでケミカルピーリングをやっており、正しい施術方法で出来ていない
セルフで行う場合もエステと同様のことが言えます。
セルフでケミカルピーリングを行う場合も使用できる薬剤の濃度が薄い場合があり、効果を実感しにくい場合があります。
さらにクリニックで行う場合と比較すると、頻度や施術時間などを適切に管理できないため、効果が減少してしまうことがあります。これらを適切に管理しないとお肌にダメージを与えてしまい、逆効果になる場合もあります。
ケミカルピーリングが合っている人はこんな人
それでは、ケミカルピーリングが効果的な人(症状・お悩み)はどんな人なのかを4つご提示し、それぞれなぜ効果的なのかについて、その症状・お悩みの機序をご説明の上解説致します。
①ニキビ・ニキビ跡(軽度)が気になる人
まずはニキビの発生機序からご説明しましょう。
老化やストレスなどの原因により、ターンオーバーがみだれると表皮の角質層という部分が肥厚し、毛穴がつまったコメドという状態になります。 そのコメドに、皮膚の常在菌であるアクネ菌などが皮脂を栄養に繁殖、炎症を起こしたものがニキビです。
ケミカルピーリングは表皮(角質層を含む)を剥離して、毛穴のつまりを改善し皮脂の排出を促進するため、ニキビに効果を発揮します。
次にニキビ跡(軽度)についてもご説明しましょう。
そもそもニキビ跡(軽度)はくすみのことが多く、これは表皮のメラニンという色素の沈着によります。 ニキビが炎症した際に表皮の部分にメラノサイト(メラニンを産生する細胞)からメラニンが過剰産生されます。これらが表皮から排出されずに沈着することでニキビ跡のくすみにつながってしまいます。
ケミカルピーリングは表皮のメラニン色素を含む細胞の剥離や排出を促進するため、軽度のニキビ跡であるくすみに効果を発揮します。
また、ニキビが気になっていてなかなか治らないという方は、「イソトレチノイン」による治療の検討を推奨致します。ニキビの治癒率が95%以上というデータもある、医学的エビデンスの高い治療法になります。
②しみが気になる人
しみの発生機序についてご説明致します。
しみの多くはメラニン色素がメラノサイトにより表皮に過剰産生され、沈着することで起こります。
通常、メラニンは表皮に存在しており紫外線から肌の細胞を防御する役割があります。 しかし長時間紫外線に当たったり、強い紫外線を浴びるとメラノサイトによりメラニンが過剰に産生されてしまいます。 また加齢、紫外線、ストレスの増加などにより、ターンオーバーのサイクルが乱れてしまうと、溜まったメラニン色素が長期間排出されない状態になってしまいます。 このようにしてメラニンが表皮に溜まることでしみが発生してしまいます。
ケミカルピーリングはターンオーバーを促進し、表皮に沈着したメラニン色素の排出を促進することにより、しみに効果を発揮します。
③毛穴の開きが気になる人
毛穴の開きについてもその発生機序から解説します。
毛穴の開きの原因は①毛によるもの②角質(≒垢)によるもの③皮脂によるものの3つに分類されますが、ケミカルピーリングは主に角質によるものに効果を発揮します。
角質とは表皮の角質層という部分が脱落したものですが、ターンオーバーが乱れてしまうと過剰に溜まった角質が毛穴に落ち込んでいき、毛穴が開いて見えてしまいます。
ケミカルピーリングはターンオーバーを促進しますので、毛穴への角質の落ち込みを防ぎ、結果として毛穴の開きを目立たなくします。
また、「イソトレチノイン」治療であれば、皮脂を減らす作用を持っており、毛穴の開き改善にも効果を得られます。ご興味のある方は、以下の投稿もご覧ください。
④小じわが気になる人
小じわの発生機序についても簡単にご説明いたします。
小じわは皮膚の弾力に関わってくるコラーゲンやエラスチンの減少が原因の一つです。 コラーゲンとエラスチンは皮膚の弾力性やハリを保つタンパク質ですが、加齢とともに減少していきます。 これらが減少すると皮膚の弾力性やハリがなくなり、小じわが発生します。
ケミカルピーリングを行うことで、繊維芽細胞(コラーゲンやエラスチンなどを産生する細胞)という細胞が刺激され、皮膚のコラーゲンやエラスチンの産生が促進され、お肌のハリが戻ってきます。
その結果、小じわを目立たなくすることができるのです。
ニキビ跡(クレーター)に適した施術は?
先ほど述べたように、ケミカルピーリングは表皮のみに作用するため、真皮層まで達するクレーター状のニキビ跡には効果が限定的です。このようなニキビ跡に対しては、ジュベルック注射が適しています。
①ジュベルック注射
ジュベルック注射は、非架橋ヒアルロン酸とポリ乳酸(PDLLA:Poly-DL-lactic acid)を組み合わせた注入薬剤で、スキンブースターと呼ばれる種類の製剤となります。注入後に1~2年かけてゆっくりと体内に吸収され、その間に線維芽細胞を刺激しコラーゲンやエラスチンを自然に増やしてくれ、持続的な効果が期待できます。
人体にも存在する乳酸を原料としているため、アレルギーを起こしにくく安全性が高いです。また、米国食品医薬品局(FDA)や韓国食品医薬品安全庁(KFDA)の承認を受けた安全性の高い製剤です。
ジュベルックは、同じカテゴリーのポリ乳酸製剤であるスカルプトラやマックームと比べて、粒子の形が丸くなるように作られているため、皮下のしこりを作る危険性がほぼありません。韓国で豊富に使用されており、有効性や安全性に関する研究論文も多く出ています。
当院では、ジュベルック注射を得意としており、多くの患者様から高い満足度を得ています。また、当院のジュベルック注射は価格も良心的で、安心して治療を受けていただけます。
クレーター状のニキビ跡でお悩みの方は、ジュベルック注射をお試しいただくことをおすすめします。当院では、患者様一人ひとりのお悩みに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
②ジュベルック水光注射
ジュベルック水光注射は、「ジュベルック」という製剤を「水光注射」というマシンで注入する施術を指します。水光注射は9本の極細針がついた注射器で、皮膚を吸引しながらスピーディに注入することで、痛みを抑えながら真皮層に均一に薬剤を注入することができます。
水光注射の特徴として、以下のようなメリットがあります:
- 深さや注入量が均一である
- 少ない内出血で済む
- 注入後の肌の凹つきが少ない
- ダウンタイムが最小限である
目的に合わせて注入する針の深さや皮膚内での滞在時間、吸引圧を最適に設定でき、さまざまな薬剤を選択可能です。ジュベルックを水光注射で注入することで、より効果的かつ安全に治療を行うことができます。
当院では、ジュベルック水光注射も提供しております。ジュベルック注射と比べて、より均一に薬剤を注入できるため、より自然な仕上がりを期待できます。また、ダウンタイムが最小限であるため、治療後すぐに日常生活に戻ることができます。
クレーター状のニキビ跡の改善と同時に、肌の質感の向上を目指す方には、ジュベルック水光注射がおすすめです。当院では、患者様一人ひとりのお悩みや予算に合わせて、最適な治療プランをご提案いたします。
当院ではケミカルピーリング、ジュベルック注射、ジュベルック水光注射など、お客様のお悩みに合わせた最適な治療法を提供しております。お肌のお悩みでお困りの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。経験豊富な医師が、お客様一人ひとりに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
ご予約や詳細については、当院のホームページをご覧いただくか、お電話にてお問い合わせください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。