【医師が解説】医療脱毛の仕組みと効果を分かりやすく解説

  • 「医療脱毛に興味はあるけど、イロイロ考えると一歩が踏み出せない」
  • 「医療脱毛をしたいけど、クリニックも情報もあり過ぎて選べない」
  • 「医療脱毛を始めてみたものの、まだ効果が感じられなくて不安になってきた」

こんにちは、スマートスキンクリニックの医師です。

皆さんは、こんな風に感じていませんか?


結論から言うと、

・理論上は、医療脱毛で抜けた毛はその後生えることはない

・ツルツルになるためには平均5~8回、期間は1~2年の期間が必要

と言われています。

ただし、それは「毛質に適した脱毛機器で施術すれば」です。

脱毛するうえで、毛と脱毛機器の仕組みについて理解することはとても重要です。

いざ施術を始めた後に「聞いていた話と違う」「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、きちんと医療脱毛の仕組みを理解しましょう。

目次

毛の構造とメカニズム

どうやって毛を生えさせなくするのか・・・ をお話しする前に、まず敵である”毛”についてよく知りましょう。

私たちの身体にある毛根の数は、全身で約500万個あると言われていて、その数は生後すぐにほぼ決まり生涯で増えることはありません。

毛は皮膚から下に埋まっている部分を毛根と言い、毛根の根本にある細胞(毛乳頭細胞と毛母細胞)によって毛が造られます。

また近年、毛の成長と再生を司るバルジ領域という重要な部分があることが分かりました。(以下の図解を参照ください)

毛の構造

毛は「成長期~退行期~休止期」という毛周期を経て、毛が生えて~抜けるという毛の生え変わりが起こります。

毛周期

普段私たちが目にしている毛は、成長期と退行期にある毛で、それは全体の約2~3割と言われています。

医療脱毛する上で、この毛周期は非常に重要です。

なぜなら、脱毛するには毛が毛根の根元の細胞やバルジ領域と接していなければならないからです。

理由は後述しますが、この毛周期がクリニックに通う頻度や期間などに関係してきます。

記事に出てきた医学用語解説

※毛乳頭細胞=栄養と発毛指令を毛母細胞に送る

※毛母細胞=発毛のシグナルを受け取ると、急速に細胞が分裂し毛を形成する

※バルジ領域=毛細胞の基になる毛幹細胞が多数存在します。この幹細胞が毛乳頭細胞や毛母細胞を造り出し、毛周期をコントロールしています。バルジ領域は60℃程度の温度で不活化し、機能しなくなると言われている

医療レーザーの仕組み

医療脱毛に用いられるレーザーには「熱破壊式」「蓄熱式」という2種類のレーザーがあります。

両者とも共通して、放出されたレーザー光がメラニン色素に反応し毛に吸収されます。吸収された光は熱エネルギーとなって、毛根などを破壊します。

両者の違いは、破壊するターゲットが異なることです。

「熱破壊式」は毛根の根元の細胞

「蓄熱式」はバルジ領域

をターゲットとしています。

スクロールできます
レーザーの種類熱破壊式蓄熱式
ターゲット毛の根元の組織
(毛母細胞・毛乳頭)
バルジ領域
特徴・メラニン色素に反応
・高出力のエネルギーで照射
弱い出力のエネルギーを繰り返し照射することで熱を蓄積させる
メリット・濃い毛や太い毛に有効
・照射後脱毛するまでの期間が短い
・産毛にも有効
・肌への負担が少なく敏感肌でも使える
・痛みを感じにくい
デメリット・産毛への反応が弱いことがある
・日焼けした肌、地黒な肌、ほくろがある部位に照射できない
・蓄熱式よりは痛みが強い
・照射後に毛が抜けるまでの期間が長いので脱毛効果を感じにくい
スマートスキンクリニックが作成

熱破壊式の仕組み

熱破壊式のレーザーは、黒いメラニン色素にのみ反応します。

色素の吸収率が高く、高出力のエネルギーで照射することで太くて濃い毛に有効に働きます。

毛を造り出す細胞そのものを直接破壊するので、照射してから毛が抜けるまでの期間が短いというメリットがあります。

しかし、デメリットとしては地黒な肌や、日焼けした肌、色素沈着のある肌、ほくろのある部分などでは、その肌にレーザーが反応し火傷などのリスクがあることから、照射できません。

また、白髪や産毛など、メラニン色素の少ない毛には反応しにくいという特徴があります。

痛みの程度としては、よく「ゴムに弾かれたような痛み」と例えられます。

蓄熱式の仕組み

蓄熱式のレーザーも黒いメラニン色素に反応しますが、熱破壊式と比べるとメラニンがレーザーを吸収する率が少ないという違いがあります。

蓄熱式は、弱い出力のエネルギーを繰り返し照射することで、毛根内の温度を上昇させるという仕組みになります。

ターゲットとなるバルジ領域は毛根の浅い部分にあり、約60℃で不活化すると言われています。ですので、強い出力のエネルギーは必要ないのです。

メラニンの吸収率が低いので、肌への負担が少なく、肌の色に関係なく照射できます。また、産毛にも効果があります。

痛みの程度としては、痛みは感じにくく照射部がじんわり温かいとうような感じ方になります。

一度で広範囲に照射できるので、施術時間が短いというメリットがあります。

一方で、デメリットとしては直接毛根の細胞を破壊するわけではないので、毛が抜けるまでが熱破壊式よりも長いということがあります。

また、医療レーザーにはレーザーの種類の他にも、レーザーの波長の長さによっても分類されます。
レーザーの種類、波長によって有効・無効な毛質、肌質があるので知っておくと良いでしょう。

波長の違い

医療脱毛レーザーはレーザーの種類の他にも、波長の長さで分類されます。

波長は

・アレキサンドライトレーザー

・ダイオードレーザー

・ヤグレーザー

の3種類あります。

以下に図表で整理しましたので、見てみてください。

レーザーの種類の図表

それぞれ再度簡単にまとめると以下のような形になります。

アレキサンドライトレーザー
・熱破壊式で、メラニンに反応するので、濃く太い毛に有効
・肌の色によっては使用できない

ダイオードレーザー
・メラニンに作用する仕組みで、熱破壊式・蓄熱式の両方のレーザーがある
・3つの中で中間的な位置にあるので、幅広い人に使用できる
・脱毛効率はアレキサンドライトレーザーに、根深い毛やメラニンを多く含む肌の場合にはヤグレーザーに劣る

ヤグレーザー
・メラニン吸収率が低く、波長を毛根にしっかり届けて毛根の細胞を破壊する
・根深い毛(ヒゲ、ワキ、VIOなど)に特に有効で、メラニン色素に影響されないことから肌への負担は軽く、産毛にも効果がある
・メラニン吸収率が低いのでその分エネルギー出力を多く必要とするため、照射範囲は狭く痛みが強い

何回でツルツルになるのか?

先のムダ毛の構造とメカニズムでも説明しましたが、毛には「成長期~退行期~休止期」というフェーズの毛周期があり、毛によってどのフェーズにあるかはそれぞれで異なります。

毛が毛根の根底の細胞やバルジ領域に接していないと、脱毛レーザーは効果を発揮しません。

ですので、脱毛に当たり重要なことは毛が成長期にあるかどうかということです。

部位にもよりますが、1~3ヶ月で多くの毛が成長期を終えるとされているので、2~3ヶ月ごとに施術を受けると効率的に脱毛できると言われています。

毛量にもよりますが、脱毛する部位と毛質に適した脱毛機器を用いれば、5~8回の施術でツルツルになると考えられます。

医療脱毛の効果の持続期間

ムダ毛は、毛根の根元の細胞やバルジ領域を破壊・不活化させてしまえば、その後生えてくることはありません。
その意味で言えば、脱毛効果は生涯持続します。

しかし、例えば、ヒゲを脱毛したいのに、蓄熱式のダイオードレーザーを用いた施術では脱毛効果が少し弱くなってしまったりするかもしれません。
また、施術したタイミングが退行期だった毛の場合は、レーザーの効果を受けることはできず施術後に再び生えてきます。

そういう意味では、適切な脱毛機器で定期的に施術を受けることが、確実に効果を得る方法と言えます。

まとめ

最後に簡単にまとめると、

・毛の発毛・成長には、毛根の根元にある毛乳頭細胞・毛母細胞やバルジ領域が関わっていて、これらの部位を破壊または不活化させれば脱毛できる

・医療脱毛レーザーには、「熱破壊式」と「蓄熱式」の2種類のレーザーがあり、さらにそのレーザーの波長の長さによって「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「ヤグレーザー」に分類できる

・アレキサンドライトレーザーは、濃くて太い毛に有効だが、色素が濃い肌には使用できない

・ダイオードレーザーは、幅広い毛質・肌に使用できる

・ヤグレーザーは、根深い毛~産毛にまで有効で肌への負担も少ないが、痛みが強い

・2~3ヶ月毎に施術を受ければ、5~8回でツルツルになれる

・適切な脱毛機器で、定期的に施術を行えば、脱毛効果は生涯持続する

今回の記事では医療脱毛に関して、仕組みと効果について解説しました。

脱毛機器によってメリット・デメリットがあるので、個々の状況(毛質、肌質など)により最適な方法を選択することが重要です。

スマートスキンクリニックでは、「熱破壊式」の医療脱毛をご用意しております。もしご興味が出てきた方は、お気軽にご相談くださいね。

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