ゴルゴ線の消し方|原因と治療法、ホームケアまで医師が徹底解説
「ゴルゴ線の原因や消し方を知りたい」
「ゴルゴ線のせいで疲れて見えたり、老けて見られたりすることがあり悩んでいる」
こんにちは。美容皮膚科・スマートスキンクリニックの医師です。
ゴルゴ線について、このような疑問やお悩みをお持ちではありませんか?
今回は、顔の印象にネガティブな影響を与える「ゴルゴ線」について、ゴルゴ線が生じる原因やセルフケア方法、治療法について、専門家の立場から詳しく解説します。
ゴルゴ線の具体的な消し方をすぐに知りたい人は、目次からセルフケアや治療法に直接飛ぶことができます。
ゴルゴ線とは?
ゴルゴ線は「目頭から頬の中央に斜めにあらわれる直線的なライン」を指す通称です。漫画『ゴルゴ13』の主人公の顔に刻まれた特徴的な線から、この呼び名が定着しています。
正式名称はmid-cheek groove(ミッドチークグルーヴ)、つまり「頬の中央にできるくぼみ」。このくぼみは、頬骨と皮膚を結ぶ靭帯によって皮膚にできる凹みを意味します。
頬の皮膚の下には脂肪があり、その下に筋肉、さらに下には骨があります。土台となる骨と皮膚をつなぐ靭帯の溝が目立つと、ゴルゴ線となります。
ゴルゴ線が生まれる原因とメカニズム
では、ゴルゴ線はどうやってできるのでしょうか。
加齢や生活習慣の影響であらわれるイメージがあるかもしれませんが、実は生まれつきゴルゴ線ができやすいタイプの方もいます。
そもそも前提として一つの要因(原因)ではなく、いくつかの要因が複合的に関与して生じます。そのいくつかの要因をご説明致します。
肌のハリや弾力の低下
加齢や紫外線、乾燥によるダメージなどのさまざまな要因により、肌の柔軟性が失われると、ゴルゴ線が目立ちやすくなります。
肌を構成するヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなどの成分が減少すると、肌のハリや弾力が低下します。
また、靭帯はコラーゲンを主成分とする弾力性のある組織です。顔の靭帯は、皮膚などを骨に固定して、フェイスラインを保つ働きや表情筋をサポートする役割があります。靭帯が劣化すると、組織を支えきれず緩みます。
脂肪の減少
加齢や過度なダイエットにより、顔の脂肪が減少すると、ゴルゴ線が目立ちやすくなります。
皮膚の下にある脂肪は、滑らかなフェイスラインを形作っています。皮膚を持ち上げていた目元や頬の脂肪が減ると、ゴルゴ線が目立ち、皮膚が余ってたるみが生じます。
表情筋の衰え
表情筋が衰えると、筋肉と靭帯の間に凹みができ、ゴルゴ線が目立ちやすくなります。
たとえば、ゴルゴ線の周囲には以下のような筋肉があります。
- 小頬骨筋・大頬骨筋:頬を支える筋肉
- 眼輪筋:目周りの筋肉
- 上唇鼻翼挙筋:頬と小鼻を動かす筋肉
筋肉は使わないと瘦せ細ります。顔を動かさないでいると表情筋がやせ衰えます。筋肉が動くと血流が促され、肌の細胞に必要な酸素や栄養素が送られますが、使われないと血流が減り、肌の栄養状態が悪くなり、ハリや弾力に影響します。
日常生活で使われる表情筋は約20~30%程度と言われていますが、無表情やマスク着用が続くと、さらに表情筋の衰えにつながるでしょう。
なお、筋肉は20代後半から加齢によって衰えます。これは、筋肉が生まれ変わる際に、新しい筋肉を合成するスピードが古い筋肉を分解するスピードに追い付かなくなるためです。
目の疲れ
パソコンやスマートフォンの使用で目を酷使すると、目の疲れからゴルゴラインができやすくなります。
目のピント調整をする筋肉は毛様体筋です。遠くを見ると緩み、近くを見ると収縮します。手元ばかり見て毛様体筋の緊張が続くと、目や頬周辺の神経や筋肉を硬直させてしまう結果に。
また、目が疲れると自律神経も乱れ、肌全体のコンディションが低下するでしょう。
血行不良
血流が悪くなると肌の代謝が落ち、肌の張りや弾力が低下し、ゴルゴ線につながります。
血液は細胞に栄養や酸素を届けています。血液循環を妨げる要因は、冷え、睡眠不足、喫煙、過度なストレスといった生活習慣です。目の疲れやドライアイは、ゴルゴ線に近い目周りの血行不良を招きます。
水分不足
乾燥はゴルゴ線をはじめ、あらゆる肌トラブルを招きます。
皮脂や汗は皮膚表面に膜を作って肌を守っていますが、水分が不足するとバリア機能が低下します。乾燥した状態では、紫外線やほこりなど外部からのダメージを受けやすくなり、コラーゲンやエラスチンの劣化につながります。
生活習慣の乱れ
生活習慣が乱れていると、肌の基礎体力が低下し、ゴルゴ線ができやすい状態を招きます。
例えば、寝不足で肌のコンディションが悪いと感じたことはありませんか?睡眠中は成長ホルモンが分泌され、新しい細胞を生成し美肌を作る時間です。
また、偏食があると肌の生まれ変わりに必要な栄養が足りなくなってしまいます。姿勢が悪いと顔や首、肩周りの血液やリンパの流れが滞ってしまうことに。過度のストレスは交感神経を優位にし、血行を悪くしたり、ターンオーバーのサイクルを乱したりします。タバコに含まれるニコチンやタールは肌の老化を早めることがわかっています。
生まれつきの骨格や皮下脂肪のつきかた
加齢や目の疲れがなくても「若いのにゴルゴ線がある」という人もいるでしょう。若いうちからゴルゴ線がある人は、加齢や生活習慣によって、さらに悪化しやすくなります。
以下のような特徴を持つ人は、生まれつきゴルゴ線が生じやすい傾向があります。
- 頬骨が平ら
- 目元の脂肪が少ない
- 靭帯が硬い
- 肌質が柔らかく弾力がない
- 皮膚が薄い
セルフケアによるゴルゴ線の消し方・予防法
ゴルゴ線はセルフケアではすぐに消すことはできませんが、悪化を防ぐためにできることはあります。
セルフケアを行う方法を、注意点とともに紹介します。
スキンケア
ゴルゴ線の原因は複雑で、化粧品だけで解決できるものではありません。
しかし、正しいスキンケアは、ゴルゴ線の原因となる肌の張りや弾力の低下を抑えます。
まずは、ご自身のスキンケアを振りかえってみましょう。
- ポイントメイク落とし
落ちにくい目元・口元のポイントメイクを落とす - クレンジング
メイクや日焼け止めを落とす - 洗顔
メイク残り・余分な角質・皮脂をしっかり落とす - 化粧水
水分を補う - 美容液
必要に応じ、保湿対策やハリ対策の美容液を加える - 乳液やクリーム
油分を補い、蓋をする
スキンケアのすべての工程には意味があります。特に、ポイントメイクや日焼け止めが落ちきっていない、乳液やクリームが足りない、年齢に応じたケアができていないと、肌がダメージを受けやすくなります。
また、原則として、皮膚は擦らず叩かず、優しく丁寧に扱いましょう。
保湿と紫外線対策の徹底
スキンケアのなかでも特に大切なのは「保湿」と「紫外線対策」です。
化粧品に含まれる代表的な保湿成分には、ヒアルロン酸やコラーゲン、セラミド、スクワランなどがあります。いずれも水を抱え込んだり蒸発させないように蓋をしたりして、肌内部の水分を保つ働きがあります。
紫外線は1年中、窓さえも透過して肌に届きます。日焼け止めはこまめに塗り直し、日傘、サングラスとともに紫外線対策をしましょう。
マッサージ
マッサージの効果は、筋肉をほぐし、血液やリンパの流れを改善することです。皮膚の細胞に必要な栄養が送られ、いらない老廃物が排出され、筋肉にハリが生まれることで、ゴルゴ線が目立たなくなる効果が期待できます。
マッサージの方法は、さまざまな本やサイトに掲載されています。専門家の監修のものを選びましょう。ただし、強くこすったり誤った触り方をすると、シミやくすみ、シワを招くこともあります。オイルやクリームを塗布し、摩擦を減らして試みましょう。
表情筋トレーニング
表情筋トレーニングにはいろいろな方法がありますが、大きく正確に「あいうえお」の形を作るだけでもゴルゴ線周囲の頬の筋肉を動かすことができます。ただし、口先だけを動かしても効果は期待できません。目周りの血流を促すために、眼球を上下左右に動かすのもよいでしょう。
あるいは、EMSという電気の力で表情筋を動かす美顔器もあります。医療機器でない場合、劇的な効果は期待できませんが、自分では動かしにくい表情筋にもアプローチしてくれます。
一番簡単なのは日常生活で表情を動かすことです。積極的に人と話したり、笑う機会を増やしたりするのもおすすめです。
ゴルゴ線を根本的に消すなら美容医療
「ゴルゴ線を根本から消す方法が知りたい」
「セルフケアよりも即効性が欲しい」
という人には、美容医療がおすすめです。
代表的なゴルゴ線の治療を一覧表にしました。
ジュベルックボリューム(レニスナ)注射 | ショッピングリフト | ゴウリ(GOURI)注射 | プロファイロ注射 | PRP注射 | 切開リフト(フェイスリフト) | |
治療の説明 | 非架橋ヒアルロン酸とポリ乳酸を配合した製剤を注入 | 主にPDO(ポリジオキサンオン)でできた極細の溶ける糸を挿入 | PCL(ポリカプロラクトン)を液状化した製剤を注入 | 高分子と低分子のヒアルロン酸を配合した製剤を注入 | 自己血液から抽出したPRPに成長因子を加えたものを注入 | 皮膚を切開し、余分な皮膚を除去する |
効果 | コラーゲン生成促進・ハリやツヤの向上 | コラーゲンやエラスチンの生成促進・自然なリフトアップ・肌のハリやツヤの向上 | コラーゲン生成促進 | 保湿・ハリや弾力性の改善・自然なボリューム増加 | コラーゲンやエラスチンの生成促進・皮膚の厚み改善 | ゴルゴ線を含む顔全体のリフトアップと若返り |
効果の発現時期 | 2~3週間後 | 施術直後から徐々に | 数日後から徐々に | 数日から数週間後、ピークは1か月後 | 2〜4週間後、ピークは3~6か月後 | 施術直後 |
効果の持続期間 | 1~2年 | 1年~1年半 | 6ヶ月~1年 | 6ヶ月~1年 | 5年 | 5~10年 |
ダウンタイム | 24時間/痛み・赤み・腫れ・内出血 | 数日/軽度の腫れ・赤み・内出血 | 24時間/赤み・隆起・内出血 | 24時間/膨れ・赤み・腫れ・内出血 | 数日/軽度の腫れ・赤み・内出血 | 2~3週間/腫れ、内出血、突っ張り感 |
ジュベルックボリューム(レニスナ)注射
ジュベルックボリューム(レニスナ)は非架橋ヒアルロン酸とポリ乳酸(PDLLA)を組み合わせた注入薬剤です。
ジュベルックに比べ粒子が大きく、肌の深いところで働きボリュームアップが期待できます。コラーゲンやエラスチンの生成が促進され、ゴルゴ線のような深いシワを目立たなくさせる効果があります。
ショッピングリフト
ショッピングリフトは、溶ける糸を皮膚に挿入する切らない治療です。
糸が吸収される過程でコラーゲンが生成され、長期的にゴルゴ線のようなシワやたるみを改善し、自然な引き締め効果が期待できます。
ゴウリ(GOURI)注射
ゴウリ注射は、PCL(ポリカプロラクトン)を含む液状化された注入製剤です。
PCLは医療用糸として使われ、体内で徐々に分解されることでコラーゲン生成を長期間にわたって促進し、肌にハリや弾力を与えます。ゴルゴ線のような深いシワにも効果的です。
プロファイロ注射
高分子と低分子のヒアルロン酸を高濃度に配合し、肌の深層まで広範囲に働きかけることで、弾力を取り戻します。
ゴルゴ線などのたるみやシワに効果的で、肌全体の若返りをサポートします。自然なリフトアップ効果が得られ、持続期間も長めです。
PRP注射
患者様ご自身の血液をもとにしたPRP(多血小板血漿)に、FGF(コラーゲンなどを生み出す線維芽細胞の増殖因子)を添加した製材を用いた再生医療です。ゴルゴ線を含むシワ改善、肌の若返りなどに長期的な効果が期待できます。
メスを入れることや異物の注入に抵抗がある方、アレルギーが心配な方におすすめです。
当院では、PRPの濃度や注入量を患者様ごとにカスタマイズしています。
PRP注射については、以下の記事もご参照ください。
切開リフト(フェイスリフト)
皮膚を外科的に切開し、たるみを引き上げる手術です。
過剰な皮膚を除去し、皮膚と筋肉を引き締めることで、ゴルゴ線の深いシワやたるみを一気に解消します。
他の施術よりも長期的に効果が続きますが、ダウンタイムは長めで、髪の生え際の見えにくいところに傷が残ります。
ゴルゴ線の予防および治療効果を高めるためにできること
ゴルゴ線を治療しても、効果は永久ではありません。加齢を止めることはできないため、定期的なメンテナンスは必要です。なるべく治療効果を維持するためにも、新たなゴルゴ線を作らないためにも、できることに取り組みましょう。
信頼できるクリニックを選ぶ
ゴルゴ線の治療は自由診療です。クリニックや施術内容により料金体系が異なります。また、効果は永久ではないため、繰り返し治療を受けることも考慮してクリニックを選びましょう。
なお、クリニックにより治療方針や得意な施術が異なります。悩みを明確にしてカウンセリングに臨み、不安な点があれば事前に相談し、納得してから治療に臨んでください。
生活習慣の改善
どんなにケアや治療をしても、生活習慣が乱れていると効果が期待できません。以下のことを意識して、生活の改善を図りましょう。
- 定期的に目を休める
- 質の良い睡眠をとる
- 立ち方、座り方、スマホを見る姿勢などの見直し
- バランスのよい食事を適量食べる
- 適度な運動
- 禁煙
ゴルゴ線を即効で消すならメイクを活用する
スキンケアや生活習慣の改善効果が表れるまでには、時間がかかります。すぐに治療が受けられないときやゴルゴ線を即効で消したいときには、メイクでカバーするとよいでしょう。
- 顔全体に下地(プライマー)を塗布
- ゴルゴ線上に凸凹を補正するための部分用下地を塗布
- ファンデーションを塗布
- リキッドコンシーラーを涙袋に塗布し、明るさを出す
- 固形のコンシーラーでゴルゴ線上のシミや色ムラをカバー
- ハイライトを目の横Cゾーン・頬の高いところに入れる
- ゴルゴ線の境目からチークを入れる
リキッドコンシーラーは肌色より少し明るいもの、薄づきでカバー力が高いものがおすすめです。固形のコンシーラーはシミの色に合わせて複数あると便利です。また、ハイライトで目線を上に持ってくることで、ゴルゴ線が目立ちにくくなります。
- ゴルゴ線を消す治療は?
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ゴルゴ線を消す治療には、例えば、ジュベルックボリューム(レニスナ)注射、PRP療法、GOURI注射などがあります。
- ゴルゴ線を消すためのおすすめのスキンケアアイテムは?
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コンシーラーでカバーするのがおすすめです。下地やハイライトも組み合わせるとよいでしょう。
- ゴルゴ線は何歳から目立ち始める?
-
骨格や皮膚の特徴により生まれつき目立ちやすい人もいますが、加齢や生活習慣に伴い目立つ傾向にあります。
ゴルゴ線のお悩みはスマートスキンクリニックへ
ゴルゴ線やゴルゴ線の消し方について、疑問や不安は解消されましたか?
美容皮膚科・スマートスキンクリニックでは、コストを抑えながら質の良い製剤にこだわっています。美容皮膚科ならではのメスを使わず肌を育てる肌育注射には自信があります。
ゴルゴ線の消し方や適応か否かについてなど、少しでも気になることがあれば、ひとりで悩まずに一緒に解決していきましょう。無料カウンセリングで、お気軽にご相談ください。