【医師監修】フォトフェイシャルで「老ける?!」医師が分かりやすく解説します

  • 「フォトフェイシャルをやり続けると老けるって聞いたけど、本当なのかな?」
  • 「フォトフェイシャルをやめると老けるって言われて心配・・・」
  • 「フォトフェイシャルは光治療だから、光老化するって聞いたけど大丈夫なのかな?」

こんちには、スマートスキンクリニックの医師です。

皆さんはこんなお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか?

せっかく綺麗になる為に施術を受けるのに、このような情報が出回っており、「本当に受けて良いのかな・・・」と不安になってしまいますよね。

そのような不安やお悩みを解消する為に、医学的根拠や私の経験を元に「フォトフェイシャルで老けるのか?」という疑問に対する回答を解説していきます。

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目次

【結論】正しく実施すれば「老ける」ことはない

早速結論からお伝えしていきますね。

正しくフォトフェイシャルを実施すれば、若々しくなることはあっても、「老ける」ということはありません。

その詳細な理由は、後述の「フォトフェイシャルの仕組み」を解説することで説明致します。

その前に、簡単にいくつか「老けない」ということを示すデータをお伝えします。

「ステップアップ皮膚レーザー エキスパートのアプローチ」という医学書籍において、17年間85回フォトフェイシャルの治療を受けた方の症例写真が掲載されています。

これを見てみると、17年という歳月を経たにも関わらず、著明な皮膚の老化を認めていません。これは、「フォトフェイシャルを受ける」⇒「老ける」という因果関係がないことを証明している一例かと思います。

また次の論文を見てみてください。BBLは厳密にはIPL(フォトフェイシャル)とは異なりますが、近しい性質を持っています。

Hence, BBL treatment can restore gene expression pattern of photoaged and intrinsically aged human skin to resemble young skin.

(和訳)BBL治療によって、光老化と本来の老化した人間の皮膚の遺伝子発現パターンを若い皮膚に似たものに修復することができます。

Chang ALS, Bitter PH, Qu K, et al. Rejuvenation of gene expression pattern of aged human skin by broadband light treatment: a pilot study. J Invest Dermatol. 2013; 133: 1394-402.

※BBLとIPL

BBL(BroadBand Light)とIPL(Intense Pulsed Light)は、技術的には非常に似ていますが、特定の違いがあります。どちらも、光療法の一種で、特定のスキンコンディションの治療や、皮膚の外観改善に利用されます。

IPLは、様々な波長の光を使って、特定の皮膚の領域を照射します。その光が吸収されると、皮膚内部の治療を必要とする領域が加熱され、治療効果をもたらします。IPLは、色素斑、毛細血管拡張、赤ら顔、ときには軽度のしわなどの皮膚の問題に対して使用されます。

一方、BBLは、より広い範囲の波長をカバーし、それらの波長を特定の皮膚の問題に対して更に特定化することができます。BBLは、IPLよりもパワフルで精度の高い光療法と見なされており、しみ、赤み、血管の問題、コラーゲン生成の刺激など、様々な皮膚の問題に対処することができます。

それでは次に、なぜ「フォトフェイシャルで老ける」といった情報がネット上に流れているのかを見ていきましょう。その後に、「フォトフェイシャルの仕組み」をお伝えしていきます。

なぜ「老ける」と言われているのか?

それでは、なぜ「フォトフェイシャルで老ける」という話が出回っているのか一緒に見ていきましょう。

スマートスキンクリニックで独自に調べたところ、次の5つ程理由がありそうでした。

①「光」治療なので、光老化が起こると考えている

これが最も多い理由ではないかと思います。フォトフェイシャルはIPLと呼ばれる「光」を使った治療になります。美容に詳しい方は「光老化」という紫外線によって皮膚が老化していく、といった現象を知っているかと思います。ですので、光治療によって光老化が起こると考えてしまっているのかもしれません。

しかし、光老化とは、以下を参照していただくと分かりますが、「日光」「紫外線」という光による老化のことを言います。

光老化は、日光を長年浴び続けることによってひき起こされる肌のしみ、しわ、たるみなどの皮膚の変化のことです。光老化は加齢による老化とは質的に異なり、紫外線を浴びた時間と強さに比例するとされます。

「光老化」持田ヘルスケア株式会社(持田製薬グループ)

ですので、「IPLという光で老化する」は間違いになります。

②やめると、リバウンドのような形で肌質が悪化すると考えている

フォトフェイシャルには若々しい肌を保つ効果があるので、継続することで効果を実感し続けることができます。ですので、「やめると老ける」というのは正しくはないですが、完全に外れ切っているとは言えないかもしれませんね。こちらは、次の目次の「フォトフェイシャルの仕組み」で詳細に解説します。

③肌の色が黒い場合

肌の色が黒い=メラニン色素が多い、ということになります。後述のフォトフェイシャルの仕組みを読んでいただくと分かりますが、フォトフェイシャルは光を照射し、その光がメラニン色素に熱ダメージを与えることでメラニン色素を破壊します。

ですので、肌の色が黒い場合、正常な肌にも熱によるダメージが大きくなってしまい、水疱(水ぶくれ)や痂皮(かさぶた)ができてしまう可能性があります。このようなダメージが繰り返し起これば、皮膚が痛んでいきますので、老けると言えるかもしれませんが、適正にフォトフェイシャルを実施していれば基本的には起こりません。

④施術後に一時的にシミが濃くなる場合がある

こちらはあくまで一時的な反応ですが、当日~数週間程度の期間においてシミが濃くなったように見える場合があります。

⑤炎症性色素沈着の発生

肌の色が黒かったり、照射エネルギーが高かった場合に、皮膚に強いダメージが起こる場合がごく稀にですがあります。皮膚に強いダメージが起こる=炎症が発生するということになります。この強い炎症が起きた後に、炎症性色素沈着と呼ばれるシミが生じる場合があります。

「フォトフェイシャルで老ける」と言われている理由について、まとめていきましたが、いかがでしたでしょうか?

皆さんは、どれか当てはまっていましたか?

それでは最後に、フォトフェイシャルの仕組みを理解して、一緒に不安を取り除いていきましょう。

フォトフェイシャルの仕組みを理解しましょう

フォトフェイシャルとは、医学的には非侵襲的若返り治療であり、IPL(Intense Pulsed Light)と呼ばれる治療法の一種です。

このIPLというのが「光」なので、「光治療」と呼ばれたりしています。

フォトフェイシャルから照射された光が、皮膚の奥にあるメラニン、酸化ヘモグロビンに吸収されます。この光が吸収された際に、熱が生じます。この熱により、メラニン、酸化ヘモグロビンが破壊されます。さらに、その熱が周囲の組織、具体的にはコラーゲン等に作用し、小さなダメージを与えます。

コラーゲンなどの組織においては、「創傷治癒機構」が働くことで、新たなコラーゲンが生成されます。これが、「肌のハリ」をもたらします。

また、メラニンを破壊することで、シミの改善をもたらします。

酸化ヘモグロビンを破壊していくことで、毛細血管にダメージを与え、顔の赤みの改善効果も得られる場合があります。

先程記載したように、

光老化は、日光を長年浴び続けることによってひき起こされる肌のしみ、しわ、たるみなどの皮膚の変化のことです。

フォトフェイシャルの仕組みは、この反対の変化を引き起こしていますよね?

ですので、仕組みを考えても、また「光老化はIPLで治療可能である」(「ステップアップ皮膚レーザー」)という記載があることからも、フォトフェイシャルによって「老ける」ということは医学的に考えて「ない」と言えるかと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?皆さんのお悩みは解決できましたでしょうか?

フォトフェイシャルで「老ける」ということは基本的にありません。むしろ若々しい肌を保つための施術になります。そして、継続していくことで、顔全体が若々しい印象になっていくことが可能な施術になります。

適切な方法で施術を受けていれば、綺麗な肌への手助けをしてくれる治療ですので、もしお肌のハリを出したい、シミを薄くしない、トーンアップしたい、等の希望があれば、スマートスキンクリニックにお気軽にご相談ください。

当院では、厚生労働省承認の機種「Stellar M22(ステラM22)」を使用しております。

フォトフェイシャルの詳細はこちらにまとめていますので、気になる方は読んでみてください。

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参考

Chang ALS, Bitter PH, Qu K, et al. Rejuvenation of gene expression pattern of aged human skin by broadband light treatment: a pilot study. J Invest Dermatol. 2013; 133: 1394-402.

「ステップアップ皮膚レーザー エキスパートのアプローチ」川田 暁(近畿大学医学部皮膚科前教授)

「光老化」持田ヘルスケア株式会社(持田製薬グループ)

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