【お悩み別】ダーマペンのおすすめの深さは?医師が分かりやすく解説

「ダーマペンのおすすめの深さは?」
「ダーマペンの最大の針の深さは何mmなんだろう?」
「ダーマペンを深く刺すと色素沈着になるのかな?」

こんにちは、スマートスキンクリニックの医師です。

ダーマペンの深さについて、皆さんはこんな疑問を持っていませんか?

ダーマペンは皮膚に微細な針を刺すことで小さな傷を作り、人体がもともと持っている「自ら傷を修復する力」を利用した治療法です。

今回は、ダーマペンの針を刺す深さによる効果の違いやお悩み別のおすすめの深さ、部位による深さの違いなどについて、医師が解説します。

目次

ダーマペンは針の深さを調整できる

ダーマペンの針の深さは0.2~3.0㎜まで、0.1㎜単位で調整することができます。

症状や悩み、目的に合わせて最適な深さが選択可能です。


針の深さによる効果の違い

ダーマペンは、針の深さによって得られる効果が異なります。

皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織の3層で構成され、表皮はさらに4層に分かれています。それぞれの層に異なる働きがあり、適切な層にアプローチすることで、期待する効果を得やすくなります。


0.25mm(角質層)

0.25㎜は表皮の一番外側にある角質層に届く深さです。

角質層が厚くなり毛穴が詰まった状態や、さらに進んで毛穴が塞がり皮脂が溜まった「白ニキビ」などの肌トラブルの改善に適しています。


0.5mm(表皮)

0.5㎜は角質層を超えて表皮の中ほどに届く深さです。

表皮の深さまでダーマペンの針を届けることで、乾燥によってできる目元や口元のちりめん状の浅いしわ、水分と皮脂のバランスによる肌質など、表皮に由来する肌トラブルにアプローチします。

1.0mm(表皮と基底層の間)

1.0㎜は表皮の中ほどから基底層まで届く深さです。

基底層は表皮の最下層に位置し、新しい細胞を生み出す場所です。基底層で作られた細胞は、徐々に分裂を繰り返すことで最上層の角質層まで移動し、垢となって排出されます。

1.5mm(基底層)

1.5㎜は基底層がある深さです。

基底層はシミのもととなるメラニンを作るメラノサイトがある部位。基底層にアプローチすることで、肌の生まれ変わり(=ターンオーバー)を促し、黒~茶色をしたシミやくすみ、色素沈着などメラニン由来の肌トラブルにアプローチします。


2.0mm(基底層と真皮の間)

2.0㎜は基底層から真皮層に届く深さです。

真皮には肌の弾力のもとであるコラーゲン線維やエラスチン線維、ヒアルロン酸、さらにそれらを生み出す繊維芽細胞があります。真皮層近くを刺激し活性化させることで、ニキビの炎症によりできたクレーターにおすすめです。


2.5mm(真皮)

2.5㎜は真皮層がある深さです。

真皮層に針を届けることで線維芽細胞を活性化させ、肌の弾力を取り戻すことができれば、たるみやたるみ毛穴、深いクレーター、傷跡に有効と考えられます。

おすすめの針の深さ【症状・悩み別】

ダーマペンの針のおすすめの深さを、症状や悩み別に解説します。

大きな悩みがあるわけではないけど、肌ツヤを出したい、毛穴を改善したい【0.5~1mm】

大きな肌トラブルがなく肌質や毛穴の改善などを希望される場合は、表皮へのアプローチができる0.5~1.0㎜の深さがおすすめです。

皮膚にはバリア機能があり、薬剤を塗布しただけでは有効成分の浸透に限界があります。ダーマペンの深さを調整すれば、角質層を超えて薬剤の浸透が可能です。毛穴の詰まりの原因となる皮脂をコントロールするには「CLRローション」などが用いられます。

クレーター、ニキビ跡を治したい【1.5~2mm】

クレーターやニキビ跡には、基底層から真皮にかけてのアプローチができる1.5~2.0㎜の深さがおすすめです。

クレーターはニキビなどの炎症が進行し、毛穴の壁が壊れて広がった跡です。クレーターの下までアプローチすることで、コラーゲンの生成を促す効果が期待できます。

ニキビ跡には、ターンオーバーを活性化することで改善効果が期待できる「ウーバーピール」などの薬剤導入を併用することもできます。

妊娠線を治したい【2.5~3mm】

妊娠線には真皮層のある2.5~3.0㎜の深さがおすすめです。

妊娠線とは皮膚が急激に伸び、真皮が割けた状態のこと。真皮層に針を刺すことで線維芽細胞を刺激しコラーゲンの生成が促されると、妊娠線を薄く目立たなくする効果が期待できます。

成長因子などの薬剤導入の併用により、相乗効果が期待できます。

マイクロニードル(≒ダーマペン)がさまざまな治療に用いられていることや効果を高めるために薬剤と併用されていることについては、以下の論文でも紹介されています。

Skin microneedling accelerates the process of skin regeneration through the creation of numerous microinjuries which emerge when skin is deeply punctured with very thin needles. The whole procedure evokes various reactions which can be divided into three major phases: inflammation, proliferation, and remodeling. It activates platelet growth factors which are responsible for the stimulation of fibroblasts to produce collagen and elastin. Moreover, skin breakdown enhances penetration of active ingredients. Treatment can be performed with the use of different devices, all equipped with needles of various lengths. Due to the fact that skin microneedling stimulates the synthesis of significant rebuilding and structural skin elements (collagen, elastin, proteoglycan), it is used in the treatment of many skin defects of different etiologies (e.g., photoaging, wrinkles, loss of elasticity, hypo- or hypertrophic scars, pigmentation changes, infraorbital dark circles, teleangiectasia, stretch marks, cellulite, alopecia, and vitiligo). In order to accelerate postsurgical regeneration and/or to enhance effects, microneedling is combined with the application of UV light (photodynamic therapy with ALA), LED light, platelet-rich plasma, chemical peels, stem cells, retinoids and other pharmaceuticals, and vitamins.

(和訳)皮膚マイクロニードルは、非常に細い針で皮膚を深く穿刺する際に生じる多数の微小傷害の生成を通じて、皮膚の再生プロセスを加速させる。施術全体は、炎症、増殖、リモデリングの3つの段階に分けられるさまざまな反応を引き起こす。炎症は血小板成長因子を活性化し、線維芽細胞を刺激してコラーゲンとエラスチンを産生させる。さらに、皮膚の破壊は有効成分の浸透を高める。治療は、さまざまな長さの針を備えたさまざまな機器を使用して行うことができる。皮膚マイクロニードルは、皮膚の重要な再構築および構造的要素(コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン)の合成を刺激するという事実により、さまざまな病因による多くの皮膚の欠陥(例えば、光老化、しわ、弾力性の喪失、低・肥厚性瘢痕、色素沈着の変化、クマ、毛細血管拡張症、妊娠線、セルライト、脱毛症、白斑)の治療に使用される。術後の再生を促進するため、および/または効果を高めるために、マイクロニードルは紫外線(ALAによる光線力学的療法)、LED光線、多血小板血漿、ケミカルピーリング、幹細胞、レチノイドやその他の医薬品、ビタミン剤の適用と組み合わされる。

引用:Kamila Zduńska, Anna Kołodziejczak, Helena Rotsztejn. Is skin microneedling a good alternative method of various skin defects removal. Dermatologic therapy. 2018 11;31(6);e12714. doi: 10.1111/dth.12714.

部位によっても適した深さは変わる

顔の皮膚の厚さが部位ごとに異なるように、ダーマペンの適切な針の深さも部位によって変わります。部位ごとに適した深さの目安は以下の通りです。

  • 額:0.25~1.0㎜
  • 目周り:0.25~1.0㎜
  • 頬:0.25~1.5㎜、2.5㎜まで可
  • 鼻:0.25~0.5㎜、2.5㎜まで可
  • 顎:0.25~1.0㎜、2.5㎜まで可
  • 体:0.25~3.0㎜

皮膚の解剖に則り医師が適切な深さを見極めることで、ひとりひとりに合った効果的な施術につながります。

よくある質問

ダーマペンの針の深さに関するよくある質問にお答えします。

深ければ深いほど良いのですか?

ダーマペンの針は深ければ深いほど良いわけではありません。症状に応じて適した深さがあります。

なお、深くなるほどダウンタイムやアフターケアが長く必要になります。

深く刺すと色素沈着になりますか?

ダーマペンの針の深さに伴い、1.5㎜以上から出血や肌トラブルを招きやすく、2.5㎜以上では色素沈着のリスクが増すと考えられています。
肌の状態に合わせて適切な深さを選択することが大切です。


深く刺すと痛いですか?

一般に、ダーマペンの針は深く刺すほど痛みを感じやすい傾向があります。

術前に表面麻酔を使用することにより、施術中の痛みは緩和できるでしょう。

術後、麻酔が切れるとヒリヒリとした痛みがあらわれます。痛みを軽減するには、保冷剤などで断続的に冷やすと効果的です。痛みは数日程度で、徐々に治まります。痛みが増強する場合は感染の可能性があるため、すぐにクリニックにご相談ください。

深さによってダウンタイムは変わりますか?

ダーマペンの針の深さによって、ダウンタイム期間は異なります。一般に、深さが増すほどダウンタイムも長くなる傾向にあります。

個人差がありますが、ダウンタイム期間の目安は以下の通りです。

  • 0.2~0.5㎜:約2~3日
  • 0.8~1.5㎜:約4~5日
  • 2.0~3.0㎜:約6~7日

なお、代表的なダウンタイム症状として、赤みや腫れ、むくみ、皮むけ、かゆみなどが挙げられます。


ダーマペンならスマートスキンクリニックへ

ダーマペンの深さについて、疑問は解消されましたでしょうか。

スマートスキンクリニックでは患者様のお悩みやご希望をうかがったうえで、解剖学に基づいた治療を提案させていただきます。

ダーマペンの針の深さや効果、痛みなどに不安がある方のために、無料カウンセリングやトライアルメニューもご用意しています。

まずはお気軽にご相談ください。

参考

ダーマペン

Kamila Zduńska, Anna Kołodziejczak, Helena Rotsztejn. Is skin microneedling a good alternative method of various skin defects removal. Dermatologic therapy. 2018 11;31(6);e12714. doi: 10.1111/dth.12714.




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