【医師が解説】エクソソームの若返り効果は本当?若返りの仕組みを分かりやすく解説

エクソソーム点滴アイキャッチ

「エクソソームの若返り効果の仕組みを知りたい」
「エクソソームで若返りができると聞いたが、本当なのかな?」
「エクソソームで若返りをしたい」

こんにちは、スマートスキンクリニックの医師です。

皆さんはこのような疑問をお持ちではありませんか?

エクソソームには「若返り効果がある」と言われています。いわゆる「アンチエイジング治療」として特に最近(2023年9月現在)注目を集めています。

一方で同時に「なぜ若返ることができるのか理由がよくわからない」という声も耳にします。
この記事では、エクソソームの仕組みと若返り効果の根拠について、医学的な立場からわかりやすく解説します。

スマートスキンクリニックでも、エクソソームを取り扱っていますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

目次

エクソソームとは


エクソソームは物質名でありながら、同時に治療名としても用いられています。

エクソソームという細胞間の情報伝達物質

エクソソームは幹細胞から分泌される細胞間の「情報伝達物質」です。

幹細胞はさまざまな細胞に変化し、自己複製をして組織を修復する働きを持ちます。幹細胞に含まれるエクソソームは、RNAやタンパク質などの情報を細胞間で伝えることで、幹細胞と同様に「組織修復」などの効果を発揮すると考えられています。

エクソソームを用いた治療

エクソソームを使った治療は、もともと「再生医療」の技術から生まれました。

再生医療とは

再生医療は治療困難な疾患などに対し、人工的に培養した「幹細胞」を投与することで、失った機能を回復させることを目的とした治療です。
幹細胞には「自己修復能力」があります。その数は生まれたときから徐々に減少し、細胞の修復能力も低下します。例えば、骨髄中の組織幹細胞の数は、80代では新生児の約1/200になってしまいます。
そこで、幹細胞を培養して投与することで、組織修復を試みる治療です。

参考:日本再生医療協会

再生医療で用いられる「幹細胞培養液」の上澄み液を濾過したものは「幹細胞培養上清液」と呼ばれ、成長因子やエクソソームなどのさまざまな生理活性物質が含まれています。

治療に用いられるエクソソームは、幹細胞から【幹細胞培養液>幹細胞培養上清液>エクソソーム】の順番に抽出されたものです。

エクソソームで若返り効果が期待できるのか?

エクソソームを取り入れて実際に10代や20代の体や肌に戻るということは無責任には断言できません。また新しい治療の為、まだまだ従来の治療に比べると論文の数も少なく、今後のさらなる研究に期待する必要はあります。

しかし、これまでに出ている論文やデータをもとに考えると、若返り効果は期待できると言えるかと思います。

そこで、2つ程論文をご紹介し、若返り効果が期待できる根拠をお示し致します。

例えば、以下の論文では「脂肪由来の幹細胞から抽出したエクソソームをラットの光老化させた肌に注入した結果、表皮の厚み・角層の割合は減少し、真皮の厚み・コラーゲンは増加し、タンパク質分解酵素が減少した」と報告されています。
このことから、エクソソームは老化した表皮・真皮の回復に有効と考えられます。

In the rat model of photoaged skin, the injected exosomes markedly decreased the epidermal thickness and increased the dermal thickness of the photoaged skin 7 days after treatment. Moreover, the proportion of the stratum corneum of the epidermis was decreased. Furthermore, real-time RT-PCR showed that the mRNA expression of type I collagen was increased and that of type III collagen, MMP-1, and MMP-3 was decreased. Our results demonstrate that ADSC-derived exosome treatment could significantly improve skin photodamage and that ADSC-derived exosomes may be a potential agent for photoaged skin treatment.

(和訳)ラットの光老化皮膚モデルにおいて、エクソソームを注入すると、投与7日後に光老化皮膚の表皮の厚さが著しく減少し、真皮の厚さが増加した。さらに、表皮の角層の割合が減少した。さらに、リアルタイムRT-PCRにより、I型コラーゲンのmRNA発現が増加し、III型コラーゲン、MMP-1、MMP-3(タンパク質分解酵素)のmRNA発現が減少したことが示された。この結果は、脂肪由来幹細胞(ADSCs)から抽出したエクソソームによる治療が皮膚の光障害を有意に改善する可能性を示し、ADSC由来エクソソームが光老化皮膚治療の潜在的薬剤となる可能性を示している。

引用
Jun-Xian Liang, Xuan Liao, Sheng-Hong Li, Xiao Jiang, Ze-Hua Li, Yin-Di Wu, Li-Ling Xiao, Guang-Hui Xie, Jian-Xing Song, Hong-Wei Liu
 (2020). Antiaging Properties of Exosomes from Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cells in Photoaged Rat Skin. BioMed research international. 2020;6406395. doi:10.1155/2020/6406395.

また、以下の論文では、老化肌の患者を対象として、ヒト脂肪組織幹細胞由来エクソソーム含有溶液(HACS)とマイクロニードル(ダーマペン)を併用した場合の比較実験を行っています。
「同じ人物の顔の片側にHACSを塗布した場合と、反対側に生理用食塩水を塗布した場合とで、しわ・弾力性・水分・色素沈着について比較したところ、HACS側の改善が大きかった」という結果が得られています。
加齢による肌トラブルに対して、エクソソームが有効であることがうかがえます。

The Global Aesthetic Improvement Scale score was significantly higher on the HACS-treated side than on the control side at the final follow-up visit (p = 0.005). Objective measurements obtained by different devices including PRIMOS Premium, Cutometer MPA 580, Corneometer CM 825, and Mark-Vu confirmed greater clinical improvements in skin wrinkles, elasticity, hydration, and pigmentation on the HACS-treated side than on the control side. The results of the histopathological evaluation were consistent with the clinical findings. No serious adverse events were observed.

(和訳)Global Aesthetic Improvement Scaleのスコアは、ヒト脂肪組織幹細胞由来エクソソーム含有溶液治療側で対照側より有意に高かった(p = 0.005)。PRIMOS Premium、Cutometer MPA 580、Corneometer CM 825、Mark-Vuを含む様々な機器による客観的測定により、HACS治療側の皮膚のしわ、弾力、水分、色素沈着が対照側よりも臨床的に大きく改善したことが確認された。病理組織学的評価の結果は臨床所見と一致していた。重篤な有害事象は認められなかった。

引用
Gyeong-Hun Park, Hyuck Hoon Kwon, Joon Seok, Steven Hoseong Yang, Joon Lee, Byung Chul Park, Eun Shin, Kui Young Park.” Efficacy of combined treatment with human adipose tissue stem cell-derived exosome-containing solution and microneedling for facial skin aging”: A 12-week prospective, randomized, split-face study. Journal of cosmetic dermatology. 2023 Jun 28; doi: 10.1111/jocd.15872.

こちらの実験は、ダーマペン(マイクロニードル)の導入液としてエクソソームを用いたということになります。つまり、ダーマペン×エクソソーム導入液は「効果がある」と言って良いかと思います。

ダーマペン×エクソソームバナー

エクソソームの若返り効果とは

エクソソームの若返り効果とは、ダーマペン後に導入する場合は肌に限定されますが、点滴で投与する場合には全身に作用することになりますので複数の効果が期待できるかと思います。効果は多岐に渡りますが、一例をいくつか説明していきます。

肌のターンオーバーを整える

エクソソーム点滴は、「肌のターンオーバーを整える」と考えられます。

ターンオーバーとは、肌の一番上にある表皮の生まれ変わりのことです。肌表面にある古い細胞は垢として排出され、同時に表皮の底から新しい細胞が生まれます。

ターンオーバーの理想的なサイクルは約28日と言われ、早すぎても遅すぎてもよくありません。サイクルは加齢により肌の細胞の機能が低下すると遅くなり、ダメージを受けると回復しようとして早まります。肌の細胞の低下していた機能が回復し、ターンオーバーのサイクルも整いやすくなります。

ターンオーバーが整うことで健康的な肌状態が保たれ、乾燥や小じわ、くすみ、しみなどの肌トラブルが起こりにくくなるでしょう。

コラーゲンやエラスチンを増産する

ロート製薬の研究によれば、エクソソームには肌の奥にあるハリや弾力のもととなる「コラーゲンやエラスチンを増産する」効果が期待できます。

「繊維芽細胞」はコラーゲン・エラスチン生産しますが、その力は加齢により低下します。しかし、エクソソームを取り込むことで、老化した繊維芽細胞の産生が改善されたというデータがあります。シワやたるみにお悩みの方には嬉しい効果です。

参考:ロート製薬

抗炎症作用・肌荒れを抑える

エクソソームには「炎症を抑える効果」も期待できます。

傷を治そうとすると血管が集まり、傷口が腫れたり熱を持ったりといった炎症反応が起こります。一時的な炎症は正常な反応ですが、慢性的な炎症は体や肌にとって負担となります。

頬の赤みや炎症ニキビは、炎症が原因の肌トラブルです。エクソソームのもつ抗炎症作用が期待されます。

ですので、ダーマペン後にエクソソーム導入液を用いると「ダウンタイムが短くなる」と言われています。

エクソソームを使った治療法

エクソソームを使った治療は、施術方法によって全身あるいは希望する部位へのさまざまな効果が期待できます。

クリニックにより取り扱う治療法は異なり、例えば以下のような治療法があります。

  • エクソソーム×点滴:
    点滴でエクソソームを注入。血管から入ったエクソソームは全身に行きわたります。全身治療をしたい方、ダウンタイムの無い治療をする方に適しています。
  • エクソソーム×注射:
    極細の注射針でピンポイントでエクソソームを注入。部分的な治療がしたい方に適しています。
  • エクソソーム×ダーマペン:
    16本の極細針で皮膚に穴をあけ、エクソソームを塗布。自然治癒力と薬理作用を期待した治療です。
  • エクソソーム×超音波:
    超音波は電気エネルギーのひとつ。塗布したエクソソームを肌の奥まで浸透させます。痛みやダウンタイムをほとんど必要とせず、肌が本来持っている力を引き出します。
  • エクソソーム×フラクショナルレーザー:
    レーザー照射により皮膚に小さな穴をあけ、エクソソームを塗布。自然治癒力と薬理作用を期待した治療です。

エクソソームならスマートスキンクリニック

エクソソームの若返り効果について、疑問は解消されたでしょうか?

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エクソソームは、細胞の修復力を用いた治療法です。肌はもちろん全身の若返り効果が期待できます。新しい治療法のため100%の効果は確立されていませんが、さまざまな論文で効果が検証されつつあります。

スマートスキンクリニックでは、
・エクソソーム点滴
・エクソソーム×ダーマペン
の取り扱いがあります。

臍帯由来の純度99%の日本産のエクソソーム点滴を使用しております。また、ダーマペンのエクソソーム導入液は、ダーマペン社公式の導入液を使用しております。

ご興味のある方は、お気軽にお問合せください。

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参考

日本再生医療協会

ロート製薬

Jun-Xian Liang, Xuan Liao, Sheng-Hong Li, Xiao Jiang, Ze-Hua Li, Yin-Di Wu, Li-Ling Xiao, Guang-Hui Xie, Jian-Xing Song, Hong-Wei Liu
 (2020). Antiaging Properties of Exosomes from Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cells in Photoaged Rat Skin. BioMed research international. 2020;6406395. doi:10.1155/2020/6406395.

Gyeong-Hun Park, Hyuck Hoon Kwon, Joon Seok, Steven Hoseong Yang, Joon Lee, Byung Chul Park, Eun Shin, Kui Young Park.” Efficacy of combined treatment with human adipose tissue stem cell-derived exosome-containing solution and microneedling for facial skin aging”: A 12-week prospective, randomized, split-face study. Journal of cosmetic dermatology. 2023 Jun 28; doi: 10.1111/jocd.15872.

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