【医師解説】“脱毛済み”の方が手の甲の毛穴をなくす方法
手の甲の毛穴に悩まれている方の中には、
「毛穴をなくす方法を調べてみても、脱毛のことしかヒットしない。もう脱毛がすんでる人はどうしたらイイの?」
「手の甲の毛穴を目立たせなくする方法って、脱毛以外にないのかな?」
「クリームや美容液以外で、手の甲の毛穴をなくす方法があるなら知りたいな」
このように感じている方もいるのではないでしょうか?
こんにちは、美容皮膚科スマートスキンクリニックの医師です。
手の甲の毛穴をどうにかしたいけど、検索してみても脱毛をおすすめする記事ばかりで、すでに脱毛済みの方にとっては、どうしたらいいの?と悩んでしまいますよね。
実際、手の甲の毛穴に対して脱毛は有効な方法です。しかし、既に脱毛をしている方はその方法をつかえません。
そのような方には「プロファイロ」「スネコス」「ジャルプロクラシック」などのECM製剤やPRPF注射などの施術が効果的です。
この記事では、手の甲の毛穴を解消するECM製剤やPRPF注射がどのようなものなのか、なぜ毛穴を解消することができるのかを美容皮膚科クリニックが分かりやすく解説したいと思います。
手の甲の毛穴をどうにかしたいと悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。
手の甲の毛穴が目立つ原因
手の甲の毛穴が目立つのは、結論としては「たるみ毛穴」が生じるからになります。
実際、手の甲に見られる毛穴は縦長に開いて見えることが多く、「たるみ毛穴」に分類されます。たるみ毛穴は、皮膚のハリや弾力が低下することで目立ってくる毛穴です。
本来、弾力のある皮膚は毛穴を引き締める役割を果たしています。しかし、皮膚のハリや弾力が低下すると、毛穴周囲の皮膚が毛穴に落ち込み毛穴が広がりやすくなり、毛穴が目立つようになるのです。
では、手の甲のハリや弾力の低下はなぜ起こるのでしょうか?
その原因には次のものが挙げられます。
- 加齢
- 乾燥
- 紫外線ダメージ
- 生活習慣の乱れ
それぞれ、詳しく解説します。
加齢
年齢を重ねると、手の甲の皮膚は徐々に薄くなります。これは加齢に伴う体の自然な変化の1つで、皮膚の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンといった肌の構造を支える成分が減少するからです。
通常、弾力のある皮膚は毛穴を引き締める役割を果たしていますが、皮膚が薄くなると、この引き締め効果が弱まり、毛穴が広がりやすくなります。広がった毛穴は影を作り、結果として毛穴が目立つようになります。
乾燥
手の甲は皮脂腺が少なく皮膚が薄いため、もともと乾燥しやすい部位です。
乾燥が進行すると、肌の表面が硬くなります。また、乾燥は肌内部の水分を減少させ、皮膚の弾力とハリを失わせるので、より毛穴が閉じにくくなります。
さらに、乾燥によって皮膚のバリア機能が弱くなると、刺激に対して敏感になるので肌が荒れキメが乱れるようになります。肌のキメが乱れると、毛穴周辺の皮膚が滑らかでなくなり、毛穴がくっきりと目立つようになります。
また、乾燥は肌の新陳代謝(ターンオーバー)を遅らせます。肌の新陳代謝(ターンオーバー)が遅くなると、古い角質が蓄積し、肌のハリや弾力を作り出す細胞などの活性も遅れることになります。
肌の乾燥はこのような複数の要因が影響しあい、さらに乾燥を助長させ、毛穴を目立たせることにつながります。
紫外線ダメージ
紫外線は肌の奥深くまで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊します。これにより肌の弾力性が失われると、毛穴が広がる原因となります。
また、紫外線は肌のターンオーバーを乱し、毛穴の周りに色素沈着を引き起こすこともあります。これにより、毛穴が黒ずんで見えることがあり、毛穴がより目立つ原因となります。
生活習慣の乱れ
不規則な生活習慣や栄養バランスの悪い食事は、肌の健康に悪影響を及ぼします。特に、ビタミンやミネラルが不足すると、肌の新陳代謝が低下し、毛穴が詰まりやすくなります。また、喫煙やストレス、睡眠不足も肌のターンオーバーを乱し、毛穴の目立ちやすさに繋がります。
手の甲の毛穴を目立たなくするためのセルフケア
手の甲の毛穴を目立たせなくするために、次のセルフケアを意識して行うことが重要です。
- 保湿
- 紫外線対策
- 生活習慣の見直し
しかし、セルフケアだけで毛穴を改善することは難しく、これ以上悪化させないようにする程度の効果と考えていたほうがよいかもしれません。
保湿
手の甲の毛穴を目立たせる原因の1つである乾燥を改善することで、毛穴は目立ちにくくなります。日常的に保湿クリームやハンドクリームを使用し、特に手洗い後や外出前にはしっかりと塗布するようにしましょう。セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分が含まれた製品を選ぶと効果的です。
紫外線対策
紫外線は年中降り注いでいるため、季節を問わず紫外線の対策は行いましょう。
日常的に日焼け止めクリームを塗ることはもちろん、外出時にはUVカット手袋を使用するなどして、手の甲を紫外線から守りましょう。
生活習慣の見直し
生活習慣が乱れると、特に肌のターンオーバーを遅らせ、毛穴を目立たせることになります。また、喫煙や過度なアルコール摂取は、肌の老化を加速させる要因です。
なるべくストレスを溜め込まず、適度な運動やリラクゼーションを取り入れることで、健康的な肌が維持できるようにしましょう。
手の甲の毛穴を解消するおすすめの方法|ECM製剤
手の甲の毛穴を改善させる方法をネットで調べると、脱毛を紹介するページが多く見られます。その理由は、脱毛で物理的に毛を取り除くことで、毛穴が閉じやすくなるからです。しかし、既に脱毛している人にとっては、もう脱毛できないからと気落ちしてしまうのではないでしょうか。
結論から言うと、既に脱毛している人に有効な方法としてECM製剤があります。
ECM製剤とは、主に非架橋ヒアルロン酸製剤のことを総称しているのですが、具体的には「プロファイロ」「スネコス」「ジャルプロ」といった製剤があります。
まずは、ECM製剤がどのような理由で毛穴に効果を発揮するのか、そして各製剤の特徴を解説していきますね。
ECM製剤が毛穴に効く理由
ECM製剤とは、主に非架橋ヒアルロン酸製剤のことを総称しています。非架橋ヒアルロン酸とは、架橋されていないヒアルロン酸のことで、ヒアルロン酸が広がりやすく浸透しやすいという特徴を持っています。
従来美容業界で使われていたヒアルロン酸(=架橋型ヒアルロン酸)は、ヒアルロン酸をなるべく同じ場所に留まらせるために、”架橋”という方法を用いてヒアルロン酸同士をつなぎ合わせていました。
一方で非架橋ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸が肌に広く行き渡り、その効果が拡散されることを目的とされています。ヒアルロン酸を浸透させることで、ヒアルロン酸のもつ保湿効果や細胞活性化効果を肌の奥にまで届けることができるのです。
ECM製剤が毛穴に効く理由には、非架橋ヒアルロン酸のもつ次の効果があるからです。
ヒアルロン酸には、大量の水分を引き寄せて保持する性質があります。
肌の奥にまで届けられたヒアルロン酸は、肌を奥深くから潤し柔らかくします。保湿された肌は、ハリと弾力を取り戻し、毛穴を目立たなくさせます。
また、水分が行き渡ることで、細胞の新陳代謝も活性化されます。肌表面のキメも整い毛穴が目立ちにくくなります。
ヒアルロン酸には細胞を活性化させる性質があります。
毛穴が目立つ原因に、加齢や様々な要因によって皮膚の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンといった肌の構造を支える成分が減少することを解説しました。コラーゲンやエラスチンは真皮層にある線維芽細胞によって作り出されます。
ヒアルロン酸は、これらの成分が増生されるように、線維芽細胞をはじめとした様々な細胞を活性化するように働きかけます。細胞が活性化し、肌のハリと弾力が取り戻されると毛穴が目立ちにくくなります。
ちなみに、ヒアルロン酸がこのように真皮層の細胞に働きかけ、肌のハリや弾力を回復させることをECMリモデリングといいます。
これから解説する各ECM製剤は、このECMリモデリングの効果が期待される製剤です。しかし、製剤ごとに主成分の非架橋ヒアルロン酸の分子量や、配合されているその他の成分の違いなどから、それぞれ特徴があります。
各ECM製剤の特徴について解説しますね。
プロファイロ
プロファイロは、高分子と低分子の2種類の非架橋ヒアルロン酸を高濃度に配合した製剤で、「多方向に深く・広く浸透する浸透力」が特徴と言えます。
この浸透力は他の非架橋ヒアルロン酸と比較しても強く、より深層部にまで浸透すると考えられています。
プロファイロはこの浸透力によって、皮下組織にまでヒアルロン酸の効果を届けられると、より健康的でふっくらとした肌が期待できるでしょう。
また、プロファイロは注入箇所が決まっているという特徴もあります。浸透力が強いため、手の甲の決められたポイント10箇所に注入するだけでも問題なく手の甲全体に広がると考えられています。
プロファイロに関して詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
スネコス200
スネコスは低分子の非架橋ヒアルロン酸と6種のアミノ酸を主成分とした製剤です。肌のハリや弾力の改善を目的に、顔全体や首などの広範囲に適用されることが多い製剤です。
アミノ酸はコラーゲンやエラスチンの合成に必要な材料となり、さらに、線維芽細胞の活性化を促進します。
スネコス200に付いて詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
ジャルプロクラシック
ジャルプロクラシックは低分子の非架橋ヒアルロン酸と4種のヒアルロン酸を主成分とした製剤です。高い保湿力を持ち、乾燥による小ジワや肌荒れの改善や、コラーゲン生成を促進し、肌の質感を改善する効果が期待できます。
ジャルプロクラシックに付いて詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
スネコス200とジャルプロクラシックの違いは?
スネコス200とジャルプロクラシックは、どちらも非架橋ヒアルロン酸とアミノ酸を含む製剤で、どちらも肌のハリと弾力を向上させる効果が期待できます。よく比較される2製剤ですが、両者の違いは配合されているアミノ酸の種類や比率にあります。
低分子非架橋ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸(グリシン、L-プロリン、L-リジン、L-ロイシン、L-アラニン、L-バリン)を含みます。
低分子非架橋ヒアルロン酸と4種のアミノ酸(グリシン、L-プロリン、L-リジン、L-ロイシン)をスネコス200とは異なる比率の独自配合を特徴としています。
両製剤とも成分が似ていて、謳っている効果も「ハリと弾力性の向上、細かいしわの軽減」と共通している部分が多くあります。どちらの方が優れているという明らかなデータがあるわけではありません。
手の甲の毛穴改善や肌のハリの回復に効果が期待できますが、肌の状態や個人のニーズに応じて選ぶことが重要です。
PRPF注射
PRPF注射はECM製剤ではありませんが、手の甲の毛穴改善に効果が期待できるので解説しますね。
PRPF注射とは、自身の血液から抽出した成長因子を利用する再生医療の一種です。
自己血液から採取した多血小板血漿(PRP)に、線維芽細胞増殖因子(FGF)を加えたオリジナルの製剤を作成し、それを手の甲に注入することで肌の再生と修復を促進します。
ECM製剤がヒアルロン酸によって線維芽細胞を活性化するのに対して、PRPF注射では成長因子の一種である線維芽細胞増殖因子(FGF)が線維芽細胞を活性化するという点が異なります。
PRPF注射により、コラーゲンやエラスチンの生成が促進され、真皮層が充足されることで、手の甲の肌がふっくらとし、毛穴が目立ちにくくなります。
今回解説した4つの施術を表にまとめましたので、検討の際の参考にしてください。
プロファイロ | スネコス200 | ジャルプロ クラシック | PRPF注射 | |
---|---|---|---|---|
ヒアルロン酸の 分子量 | 高分子 低分子 | 低分子 | 低分子 | ー |
アミノ酸 | ー | 6種類 | 4種類 | ー |
その他 | ー | ー | ー | 成長因子 |
価格 | 6〜16万円 | 3〜6万円 | 4〜9万円 | 14〜50万円 |
手の甲の毛穴をなくしたい方は、スマートスキンクリニックへ
まとめ:手の甲の毛穴改善にはECM製剤とPRPF注射が効果的
手の甲の毛穴が目立つ原因には、加齢や乾燥、紫外線ダメージ、生活習慣の乱れがあり、それらによって引き起こされる肌のハリや弾力の低下が関係しています。
毛穴改善のためにできるセルフケアもありますが、セルフケアだけで根本的な原因である肌のハリや弾力を回復させるのは難しく、長期的な効果を期待するのは難しいでしょう。
この記事では、毛穴改善に効果的な施術としてECM製剤やPRPF注射を紹介しました。これらの施術は、肌のハリや弾力にかかわる真皮層に直接アプローチします。
各製剤それぞれに特性があるので、ご自身のニーズに合ったものを選ぶと良いでしょう。
- もう少し詳しく話を聞きたい
- 自分に合った製剤を、手を診察してもらってから決めてもらいたい
と考えられた方は、ぜひ当院にお越しください。
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