【医師が解説】ポテンツァとダーマペンの違いを分かりやすく解説|あなたに適した施術を紹介

本コラムの内容について、当院ではポテンツァは現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。(ダーマペンの取り扱いはございます)

「美肌になるには、ポテンツァとダーマペンどちらが良いのだろう?」
「クレーターを治すなら、ポテンツァかダーマペンどちらがおすすめ?」
「そもそもポテンツァとダーマペンの違いは?」

こんにちは、スマートスキンクリニックの医師です。

ポテンツァやダーマペンについて、このような疑問を持っていませんか?

さまざまな肌悩みのなかでも特に改善しづらいのが「クレーター」と呼ばれる凹んだニキビ跡。クレーターを改善するには、積極的な治療が必要です。

ポテンツァもダーマペンも、患者様にもともとある「傷を治す力」を利用して美肌に導く治療です。それぞれの特徴・違いを比較し、あなたに適した施術を紹介します。

目次

ポテンツァとは

ポテンツァは、ジェイシス社のマシンを使ったマイクロニードル(極細針)RF治療の名称です。

皮膚に極細針を指し、針先からRF(高周波の一種であるラジオ波)を照射します。皮膚に針や熱エネルギーのダメージを与えると、自ら傷を治そうとする「創傷治癒機構」が働くことで、コラーゲンやエラスチンが産生され美肌効果やクレーター改善効果が期待できます。

さらに「ドラッグデリバリーシステム」により薬剤を肌奥の真皮層に直接浸透させることや、治療目的に合わせて異なる針の本数や長さのチップ、薬剤を変えることも可能です。

ダーマペンとは

ダーマペンもポテンツァと同じ創傷治癒機構を利用した「マイクロニードル治療」のひとつで、ニキビ跡や毛穴治療に適した施術です。

16本の極細針がついた高速振動するヘッドを肌の表面にあて、手動で縦横に滑らせながら1秒間に1,920個の針穴をあけます。

「ドラッグデリバリーシステム」はありませんが、薬剤は目的別に選択でき、針穴をあけた皮膚表面に塗布します。針の長さは部位ごとに選択可能です。

ダーマペンの有用性に関しては、実際に以下の論文のなかで紹介されています。

Ninety percent reduction in number of scars and depth of scars was noted at the end of three sittings. The improvement in pigmentation was insignificant. Seventy percent improvement in the skin texture was noted. Nine patients suffered from transient postinflammatory erythema and six patients had postoperative swelling.

2012年11月から2014年8月までに20歳から40歳までのニキビ跡のある患者10名を対象としたマイクロニードル(≒ダーマペン)による実験が行われており「ニキビ跡の数と深さは3回終了時点で90%減少、肌の質感は70%改善し、9名に一過性の炎症後紅斑、6名に術後の腫脹が見られた」ことから、安全で効果的な治療であるという結果を得ています。

Komal Babu Waghmare, Joyce Sequeira, B H Sripathi Rao,” An objective assessment of microneedling therapy in atrophic facial acne scars. “:National journal of maxillofacial surgery. 2022 Aug;13(Suppl 1);S103-S107. doi: 10.4103/njms.NJMS_7_18.

ポテンツァとダーマペンの違い

ポテンツァとダーマペンはいずれも「創傷治癒機構」を利用したマイクロニードル治療を含む施術です。

それぞれの違いを、ダウンタイム・痛み・1回の効果から比較し、表にまとめました。

ポテンツァダーマペン
治療概要極細針
+RF照射
+ドラッグデリバリーシステム
極細針
+薬剤塗布    
ダウンタイム期間と症状痛み:約1~2日
腫れ:数日
赤み:約1~2日
皮剥け:必発ではない
※術後2日日からメイク可
痛み:数日
腫れ:数日~約1週間
赤み:約1~3日
皮剥け:必発ではない
※術後1日目からメイク可
痛み・針を刺す痛み
・RF照射の痛み
・吸引により緩和
・麻酔利用可
・針を刺す痛み
・麻酔利用可
1回の効果/推奨回数・1回でも効果あり
・4~6週間に一度×計3回以上
・1回でも効果あり
・4~6週間に一度×計4回~6回程度
価格相場約50,000~180,000円約15,000~90,000円

いずれも「極細針」による効果は期待できますが、ポテンツァには「RF」「ドラッグデリバリーシステム」があるため、よりいっそうの効果が期待できます。

「痛み」は「痛み」はいずれの施術も針を刺すときに痛みが生じます。ポテンツァではRFの熱という痛みの要素が増えるものの、吸引しながら針を刺す仕組みがあるため、痛みが軽減されるという見方もあります。
麻酔を利用することで軽減できるでしょう。

「ダウンタイム」はRFの止血効果によりポテンツァの方が短くなる傾向があります。ただし、いずれも針の長さが変えられ、ダウンタイムは針の長さに比例する傾向があるため一概には言えません。

「効果」はそれぞれ1回でも美肌効果があり、クレーターなどの大きな肌悩みには回数を重ねることで効果を実感しやすくなります。ポテンツァの効果はダーマペンの4~5回分とも言われていますが、症状や薬剤・治療技術にも左右されます。

「料金」はクリニックにより体系が異なり、カウンセリング代・診察代・アフターケア代などが別途必要な場合もあります。また使用する薬剤により大きな差があるため、事前に必要な金額・回数を確かめておくとよいでしょう。

ポテンツァ、ダーマペン、フラクショナルレーザーの違い

実は、ニキビ跡に最も効果が高いとされる治療法は「フラクショナルレーザー(CO2フラクショナル)」です。

フラクショナルレーザーも、肌の創傷治癒機構を利用した治療です。ただし、針やRFではなく「レーザー」を用います。

真皮層まで及ぶレーザー光線を点状に照射し、小さな傷をつけ、自らコラーゲンやエラスチンを再生させる力によりニキビ跡改善などの高い肌質改善効果が期待できます。また、ダーマペン同様、照射してできた穴に薬剤を浸透させることで、相乗効果も期待できます。

デメリットは、レーザーの熱が真皮だけでなく皮膚表面にも伝わってしまうこと。赤み、皮むけ、炎症後色素沈着などのダウンタイムとリスクを伴い、メイクは1週間程度控える必要があります。 

料金相場は1回3~8万円程度です。

こんな場合には〇〇がオススメ

ポテンツァ・ダーマペン・フラクショナルレーザーはいずれも肌の再生・クレーター改善効果が期待できますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

ご自身の症状やご希望に合った治療を選ぶことで、満足できる結果を得やすくなるでしょう。

ポテンツァがオススメの人

  • 治療効果は欲しいが、ダウンタイムも抑えたい人
  • 単価が高くても早く効果を得たい(治療回数を抑えたい)人
  • ポテンツァでしか使えない薬剤(マックーム)を希望する人

ダーマペンがオススメの人

  • ニキビ跡治療が初めての人
  • 治療回数が多くても単価を抑えたい人
  • ダーマペンでしか使えない薬剤や施術(エクソソーム、ヴェルベットスキンやヴァンパイヤフェイシャル)を希望する人

フラクショナルレーザーがオススメの人

  • 高い治療効果を求める人
  • 長めのダウンタイムやメイクできない期間があっても構わない人

スマートスキンクリニックのダーマペン

ポテンツァ・ダーマペンについて、疑問は解消されましたでしょうか?

いずれの治療もニキビ跡への効果は期待できますが、施術方法の違いによりメリット・デメリットがあります。

3つの治療に共通して言えることは「十分な効果を得るには定期的な治療が必要である」ということ。ライフスタイルや予算に合わせ、無理なく継続しやすい方法を選びましょう。

スマートスキンクリニックでは、ダーマペンを採用しています。

「まずは簡単なものから試してみたい」という方はもちろん、より一層の効果を求める人にはダーマペンと「エクソソーム」という肌を細胞から再生させる効果が期待できる薬剤を併用したコースもございます。

ニキビ跡でお悩みの方は、無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。

参考

Dermapen

Jeysys

Komal Babu Waghmare, Joyce Sequeira, B H Sripathi Rao,” An objective assessment of microneedling therapy in atrophic facial acne scars. “:National journal of maxillofacial surgery. 2022 Aug;13(Suppl 1);S103-S107. doi: 10.4103/njms.NJMS_7_18.

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