【医師が解説】ポテンツァの「マックーム」について分かりやすく解説

本コラムの内容について、当院では現時点では取り扱いがございませんが、情報のひとつとしてご利用下さい。

「ポテンツァのマックームにはどのような効果があるのだろう?」
「ポテンツァのメニューにあるマックームって何だろう」
「ポテンツァとマックームって一緒に受ける意味あるの?」

こんにちは、スマートスキンクリニックの医師です。

ポテンツァとマックームについて、このような疑問を持っていませんか?

ポテンツァの施術には“マックーム”がセットやオプションになっていることがあります。

この記事では、ポテンツァとマックームにはどのような効果があるのかを、医師が分かりやすく解説します。
ポテンツァとマックームについて知ることで、それぞれの効果・併用による相乗効果が理解できるようになるでしょう。

目次

そもそもポテンツァとは

ポテンツァはマイクロニードルRF治療と呼ばれ、極細針(マイクロニードル)で肌表面に穴を空け、RF(高周波の一種であるラジオ波)を照射し、薬剤を浸透させることができる治療です。針やRFの熱エネルギーのダメージから肌を自ら修復させようとする「創傷治癒機構」が働きコラーゲンやエラスチンが産生される効果、RFの熱による皮膚の引き締め効果も期待できます。

針の本数や長さが異なる多彩なチップ、薬剤を使い分けることにより、「ニキビ」「ニキビ跡のクレーター」「シワ・たるみ」「赤ら顔」「肝斑」など、さまざまな肌悩みに対応することができます。

同じマイクロニードル治療の「ダーマペン」に比べポテンツァが優れているのは、針先から真皮層に直接RF照射ができるため表面の皮膚への損傷を避けられることや、RFで針穴を止血し皮膚を吸引しながら薬剤を浸透させるため、薬剤が押し戻されず均一に真皮層まで届けることができる点です。

マックームとは

マックームは医学的に言うと、ポテンツァ用に開発された「PLLA(ポリ乳酸)製剤」のことです。PLLA製剤は、医療分野で溶解性縫合糸や顔面注入用製剤などに使用されてきました。

マックームの効果は、一言で言えば「コラーゲンの産生を促す」というものです。

マックームは体内に入ると、数か月~約2年かけて水分と二酸化炭素に分解され、それと同時にコラーゲン産生が促進されます。ですので、マック―ムが真皮層に入ると、ニキビ跡のクレーターへの効果も期待できます。

実際に以下の論文の中で、頬のニキビ跡に片側ずつ「ポリ乳酸を塗布後、マイクロニードルRF波(≒ポテンツァ)を施術」した側と「生理用食塩水塗布後、マイクロニードルRF波を施術」した側とで3回の治療後に比較したところ、ポリ乳酸を併用した方がニキビ跡の滑らかさや大きさ、全体的な改善において有意に良好な効果を示した、というデータがあります。

Min K An, Eun H Hong, Suk B Suh, Eun J Park, Kwang H Kim“Combination Therapy of Microneedle Fractional Radiofrequency and Topical Poly-Lactic Acid for Acne Scars: A Randomized Controlled Split-Face Study.”Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]. 2020 Jun;46(6);796-802. doi: 10.1097/DSS.0000000000002175.

ただし、ポテンツァ専用でないPLLA製剤は分子量が大きく、肉芽腫(慢性炎症反応)リスクがあるためおすすめしません。

まとめ

ポテンツァとマックームの効果について、お分かりいただけましたでしょうか。

ポテンツァに期待できる効果は、マイクロニードルとRF照射による創傷治癒作用、皮膚の引き締めなどがあります。マック―ムに期待できる効果は、PLLA製剤によるコラーゲン産生促進です。

ポテンツァだけでもニキビ跡への効果が期待できますが、マックームと併用することで相乗効果が認められています。他の治療やポテンツァのみの施術で十分な効果を得られなかった方は、是非マックームの併用を検討してみてください。

参考

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監修者医師

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