【医師が解説】シミの種類・見分け方を分かりやすく解説

  • 「このシミの種類って?」
  • 「シミができた原因が気になる」
  • 「できてしまったシミを何とかしたい」

こんにちは、スマートスキンクリニックの医師です。

皆さんはこのような疑問やお悩みをお持ちではないでしょうか?

代表的な6種類のシミについて、特徴・原因・治療法を医学的立場から分かりやすく解説しますので、シミが気になる方は、ぜひ参考にしてください。

目次

シミの種類6つ

シミは主に6種類あるといわれており、特徴について簡単にそれぞれ整理しました。

①老人性色素斑(いわゆるシミ)

一般的にシミと呼ばれるものの大部分は、「老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)」です。色は茶色~黒で、形が丸く、輪郭がくっきりとしているのが特徴です。

日の光を多く浴びる機会が多い、顔・手の甲・腕に多く発生します。年齢を重ねるにつれ、少しずつ色が濃くなっていきます。

②脂漏性角化症

「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」は、高齢者の顔などに見られるシミです。茶色~黒色で、全体が盛り上がり、表面はややザラザラしています。

形はさまざまで、ゆるやかに盛り上がっているものもあれば、イボのように飛び出ているものもあります。老人性色素斑と混じってあらわれるケースが多いのも特徴です(※)。

③肝斑

肝斑は、ほほ骨に沿って左右対称にできることの多い、薄茶色のシミです。ほほ以外にも、あごや鼻の下などにもあらわれます。30代後半から50代くらいの女性に多く見られるシミで、その形から「地図のようなシミ」と表現される場合もあります。

老人性色素斑と間違われやすいシミですが、輪郭がはっきりせずぼんやりしているのが特徴です。

④雀卵斑(いわゆるソバカス)

「雀卵斑(じゃくらんはん)」は、一般的にソバカスと呼ばれているシミです。米粒の半分くらいの大きさで薄茶色をしています。顔や腕、手、肩などに散らばるようにあらわれます。

子どもの頃から出始め、思春期に目立つようになる傾向があります。夏に色が濃くなり、冬にやや薄くなるのも特徴のひとつです。

⑤後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

「後天性真皮メラノサイトーシス」は一般的なシミとは異なり、「真皮」と呼ばれる皮膚の深い部分に色素細胞が増え、黒い色のもととなる色素である「メラニン」がたまります。真皮にできるため、医学的には「アザ」と分類されています。

10代後半から30代にかけて発症し、女性に多く発症するシミです。顔の頬骨と下まぶたに出やすく、他のシミとは異なりグレーまたは青みを帯びた茶色をしています。肝斑やソバカスと一緒に出るケースもあり、他のシミと混同されやすいシミです。

⑥炎症性色素沈着(PIH)

炎症性色素沈着は、外傷・やけど・ニキビ・かぶれなどの炎症がおさまったあとに、肌の一部が茶色~黒色に変色してできるシミです。

それぞれのシミの原因と治療

6種類のシミについて、原因と治療法を紹介します。

①老人性色素斑(いわゆるシミ)

<原因>
肌が紫外線を浴びると、ダメージを防ぐために肌の内部に存在する「メラノサイト」が刺激され、メラニンができます。つくられたメラニンは、肌の生まれ変わりに伴い排出されます。

しかし、紫外線を長期間にわたり浴び続けると肌細胞の遺伝子が変化し、メラニンが過剰につくられ、排出が追いつかなくなります。その結果、メラニンが肌にたまりシミになるのです。

<治療法>
主な治療法は、薬による治療・ケミカルピーリング・レーザー治療・フォトフェイシャルです。それぞれ解説します。

・薬による治療
メラニンができるのをおさえる「ハイドロキノン」、メラニンの排出を促す「トレチノイン」といった飲み薬・塗り薬を使った治療法です。

・ケミカルピーリング
専用の薬によって皮膚の表面をはがし、肌の細胞の生まれ変わりを促進します。その結果、メラニンの排出が活発になります。

・レーザー治療
医療用レーザーをシミに照射し、メラニンを熱エネルギーや衝撃波で破壊する治療法です。

・フォトフェイシャル
特殊な光を肌にあて、メラニンにダメージを与える治療法です。

②脂漏性角化症

<原因>
紫外線によるメラニンの増加、老化による皮膚細胞の増殖が主な原因です。

<治療法>
脂漏性角化症の治療では、「凍結療法」がよく行われます。凍結療法とは、液体窒素を使って脂漏性角化症が起きている組織を凍らせ、壊死させたうえで取り除く治療法です。

その他、レーザー治療や盛り上がっている部分を切り取る手術などの治療法も行われます。

③肝斑

<原因>
肝斑の原因ははっきりしませんが、妊娠・ピルや女性ホルモン剤の服用によって発生することが多く、女性ホルモンが影響すると考えられています。また、紫外線や摩擦による刺激も原因となる可能性があります。

<治療法>
ハイドロキノンなどの塗り薬、メラニンができるのをおさえる効果がある「ビタミンC」や「トラネキサム酸」などの飲み薬による治療が一般的です。また、出産などで女性ホルモンのバランスが変化したことがきっかけで、治るケースもあります。

薬による治療で効果が出なければ、「レーザートーニング」と呼ばれるエネルギーが弱いレーザーをあてて治療する場合もあります。肝斑の場合、一般的なレーザー治療を行うと、メラノサイトが刺激され、かえって色が濃くなるので注意が必要です。

④雀卵斑(いわゆるソバカス)

<原因>
ソバカスができる主な原因は、遺伝です。メラニンには黒色の「ユーメラニン」と黄色~赤色の「フェオメラニン」が存在します。フェオメラニンを多く持つ人は、色白でソバカスができやすい体質です。フェオメラニンの量は遺伝によって決まるので、ソバカスができやすい体質は遺伝すると考えられます。

また、紫外線の影響でメラニンが過剰に作られ、ソバカスができたり、濃くなったりする場合もあります。

<治療法>
主な治療法は、トレチノインやトラネキサム酸といったメラニンに作用する薬による治療やケミカルピーリング、レーザー治療、フォトフェイシャルです。

⑤後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

<原因>
原因ははっきりしませんが、女性ホルモンや紫外線が関係していると考えられています。何らかの刺激で、皮膚の深い部分にある色素細胞の「真皮メラノサイト」の働きが活発になることで発生します。

<治療法>
主な治療法は、皮膚の奥まで届く「Qスイッチレーザー」の照射です。レーザーにより、原因となる真皮メラノサイトを破壊することで、シミを改善します。

⑥炎症性色素沈着(PIH)

<原因>
炎症による刺激を皮膚が受けるとメラノサイトの働きが活発になり、メラニンが多くできるようになります。それに加え肌の生まれ変わりによるメラニンの排出が追いつかなくなると、メラニンがたまりシミとなります。

<治療法>
メラニンができるのを防ぐハイドロキノンやメラニンの排出を促すトレチノインなどによる服薬治療、ケミカルピーリング、レーザー治療、フォトフェイシャルなどの治療法があります。

まとめ

シミは種類によって原因や治療法が異なります。シミを解消するには、シミの種類を正しく把握し、適切に対処することが大切です。

シミの種類を自分で見分けるのは難しく、取り除くには服薬やレーザーなどでの治療が必要です。気になる場合は、医師の診察を受けましょう。

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監修者医師

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