【医師解説】”生まれつき手のシワが多い”とコンプレックスを感じている人へ〜改善方法を提案します

生まれつき手にシワが多くて悩んでいる方の中には、

「子どもの頃から手のシワが濃くて人に見られるのが恥ずかしい」
「ハンドクリームやマッサージを試したけど、効果を感じられなかった」
「生まれつき手のシワが多くても、ケアで薄くできるのかな?」

このように感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こんにちは、美容皮膚科スマートスキンクリニックの医師です。

“シワ”というと、一般的に30代や40代頃から現れ始めますが、生まれつきシワが多い場合は、それをコンプレックスに感じて悩むこともあると思います。

シワがあるだけで実際の年齢よりも年上に見られるので、特に10代や20代など若い年齢の方の場合は「どうにかしたい」と思いますよね。

シワを薄くする方法としては、これ以上シワを増やさないために行う小さな改善「セルフケア」と、シワの原因を根本から改善させる「美容医療」があります。

この記事では、生まれつき手のシワが多い人の特徴や、改善方法について美容皮膚科クリニックが分かりやすく解説しています。

生まれつき手のシワが多いと悩んでいる方は、是非参考にしてください。

目次

手のシワが生まれつき多いのはなぜか?

シワができ始める年齢は個人差がありますが、肌の弾力やハリが徐々に低下し始め、シワが目立ち始めることが多いとされています。では、生まれつきシワが多い人にはどの様な違いがあるのでしょうか?


以下の3つが主な違いとなります。

  1. 遺伝的要因
  2. 乾燥
  3. 栄養バランスの偏った食生活

それぞれ解説致します。

①遺伝的要因
生まれつき皮膚が薄い場合は、シワが目立ちやすいタイプの肌とされています。

皮膚の厚さは、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンと言った肌の弾力を司る成分によって決められます。一般的には、これらの成分は加齢に伴い減少していくことで皮膚が薄くなりますが、生まれつき皮膚が薄い人はこれらの成分が生まれつき少ないことが考えられます。

皮膚の厚さを判断する方法には、いくつかのポイントがあります。

  • 肌をつまむ感触
    皮膚を軽くつまんでみて、薄く感じるか厚く感じるかを確認できます。薄い皮膚は柔らかく、薄く感じられやすいです。
  • 傷や赤みの出やすさ
    薄い皮膚は刺激に敏感で、軽い引っかき傷や摩擦で赤くなりやすい傾向があります。逆に、厚い皮膚は刺激に対して強く、赤みや傷が目立ちにくいです。
  • 血管の見えやすさ
    皮膚が薄いと、特に手の甲や首、目元などの血管が透けて見えやすいことが特徴です。

これらの感覚や観察を通じて、自分の皮膚が薄いかどうか判断することが可能です。

②乾燥
乾燥している肌は、年齢に関係なくシワを増やす要因になります。ですので、生まれつき乾燥しやすい肌質の方は、若い頃からシワができやすいと考えられます。

特に手の甲は皮脂腺がなく、刺激にさらされやすい部位なので保湿が不足すると乾燥しやすい部位だと言えます。

③栄養バランスの偏った食生活
栄養バランスの偏った食生活は、シワ形成に影響を及ぼします。コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力やハリを支える成分の生成に必要な栄養素が不足すると、これらの成分が十分に作られなくなるからです。具体的には、タンパク質やビタミンC、亜鉛などです。

  • 過度なダイエット
  • 炭水化物中心の食生活
  • ファストフードやインスタント食品の頻繁な摂取

この様な食生活になっていないか、振り返ってみましょう。

生まれつきの手のシワを改善するには?

いくつかの方法がある

手のシワを改善するためには、まずは自分のライフスタイルや肌質に合ったケアを見つけることが重要です。

手のシワを改善する方法には、以下に挙げたいくつかの方法があります。

  • 保湿ケア
  • 紫外線対策
  • 食生活の見直し
  • ムダ毛の自己処理方法の見直し
  • マッサージやストレッチ
  • 美容医療           など

今回はこの中から、小さな改善として「セルフケアの見直し」と根本的な解決として「美容医療」の2つについて詳しく解説していきます。

小さな改善「セルフケア」のやり方を変える

日々のセルフケアは手のシワ改善・予防の点から重要です。特に、若い年齢から正しいケアを続けることで、シワの進行を予防することができます。

一般的に言われていることですが、「保湿」「紫外線対策」は特に重要なセルフケアになります。

1.保湿ケアを徹底する

手の甲は乾燥しやすい部位なので、こまめに保湿することが大切です。ヒアルロン酸やセラミドを含んだ保湿クリームを選び、外出前や手洗い後にしっかりと塗りましょう。また、手を濡れたままにしない、水仕事をする場合には手袋の装着を徹底するなど、保湿をするケアと、乾燥させないケアを同時に行っていきましょう。

2. 紫外線対策を行う

手も顔と同じように紫外線にさらされています。紫外線は肌の奥にまで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊します(光老化)。紫外線によって肌の弾力が失われると、シワのできやすい薄い肌となってしまいます。

日焼け止めを塗ることや、日常的にUVカット手袋を使うなど、紫外線対策を怠らないことがシワ予防につながります。

ここでは取り上げませんでしたが、タンパク質やビタミンC・E、亜鉛などを含む食材を積極的に摂取し、バランスの取れた食生活の見直しや、睡眠不足やストレスをためない規則正しい生活を心がけることも大切です。

また、ムダ毛の自己処理の方法も見直してみましょう。カミソリやワックスなどを用いた自己処理の方法では、摩擦や刺激が強く皮膚のバリア機能を弱めることが考えられるからです。

根本の改善「美容医療」による施術

生まれつき手のシワが多い人の特徴として、生まれつきの皮膚の薄さをお話しました。
皮膚の厚さや薄さは、皮膚の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンと言った成分に左右されるのですが、美容医療の中にはこのコラーゲンやエラスチンを増やすことが期待できる施術があります。
その様な施術が、ECM製剤やPRP注射です。これらの施術は、気になる部分の皮膚を内側から育てるというアプローチ方法になります。

美容医療による生まれつきの手のシワの改善方法

生まれつき手にシワが多い人にお勧めの、ECM製剤やPRP注射ですが、これらの施術は皮膚を内側から育てるというアプローチ方法で、SNSなどでは肌を土台から整える「肌育治療」と紹介されていることもあります。

ECM製剤とは

ECM製剤とは、主に非架橋ヒアルロン酸を用いた美容治療で、肌の再生や若返りを目的としています。手の甲に注入できる具体的な製剤としては、「プロファイロ」「スネコス」「ジャルプロクラシック」などがあります。

非架橋ヒアルロン酸は、広がりやすい性質をもったヒアルロン酸とも言い換えることができ、ヒアルロン酸の持つ保湿効果や細胞の活性化効果を肌の隅々にまで行き渡らせることができます。

ECM製剤が”肌を土台から整える「肌育治療」”や”肌の再生や若返り”と言われている理由は、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンを増やす効果が期待できるからです。これらの成分が増生することで、肌は弾力を取り戻し、ハリがありみずみずしいふっくらとした肌になることが期待されています。

ECM製剤の具体的な効果

保湿効果

ヒアルロン酸には、大量の水分を引き寄せて保持する性質があります。

肌の隅々にまで届けられたヒアルロン酸は、肌を奥深くから潤し柔らかくすると同時に、多くの水分を引き寄せてボリュームを持つことになります。保湿され、ハリと弾力を取り戻した肌は、シワを目立たなくさせます。

また、肌に弾力が戻ることで、手の繰り返される動作によるシワの定着も起こりにくくなります。

細胞活性効果

ヒアルロン酸には細胞を活性化させる性質があります。
真皮層は皮膚のハリや弾力を司る場所でもあり、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸・線維芽細胞などで構成されています。

ヒアルロン酸の持つ細胞活性効果は、構成するそれぞれの成分や、そもそも成分を生み出す線維芽細胞自体にも活性するように働きかけるので、真皮層の成分が充足され肌の土台となる真皮層が整うということが期待できるのです。

皮膚の断面図

ちなみに、ヒアルロン酸がこのように真皮層の細胞に働きかけ、肌のハリや弾力を回復させることをECMリモデリングといいます。

生まれつきシワが多い場合、もともとの皮膚の薄さが原因として考えられます。そのような方にとっては、ECM製剤は有効な手段と言えるでしょう。

プロファイロ

プロファイロは、2種類の非架橋ヒアルロン酸(高分子と低分子)を高濃度で配合した製剤で、その大きな特徴は「多方向に深く・広く浸透する力」にあります。他の非架橋ヒアルロン酸と比較しても、浸透力が非常に高く、皮膚の深層部にまでその効果を届けることができるとされています。

この浸透力は、ヒアルロン酸を皮下組織にまでしっかりと行き渡らせ、ふっくらとしたハリのある肌を目指すことが可能です。プロファイロは、単に表面を保湿するだけでなく、内部からの若返りを促すことで、肌の健康的な見た目を保つことが期待できます。

プロファイロについて詳しく知りたい方は、こちら。

スネコス

スネコスは、低分子の非架橋ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸を主成分とした製剤です。特に、肌のハリや弾力の改善を目的とした施術に広く使われており、顔全体や首などの広範囲に適用されることが多いです。

スネコスはECM製剤の中では比較的安価な価格帯で提供されています。

スネコスについて詳しく知りたい方は、こちら。

ジャルプロクラシック

ジャルプロクラシックは、低分子の非架橋ヒアルロン酸と4種類のアミノ酸を主成分とした製剤です。主に、コラーゲン生成を促進し、肌の質感を改善する効果が期待されています。肌のハリや弾力を高めるだけでなく、細かいシワを目立たなくするなど、エイジングケアにも適しています。

ジャルプロクラシックについて詳しく知りたい方は、こちら。

スネコスとジャルプロクラシックの違いは?

スネコスとジャルプロクラシックは、どちらも低分子非架橋ヒアルロン酸とアミノ酸を含む製剤です。アミノ酸はコラーゲンやエラスチンの合成に必要な材料として働き、肌内部の細胞を活性化させる効果があります。

両製剤とも肌のハリや弾力を向上させる効果が期待できますが、それぞれ成分に違いがあります。

スネコス

成分: 低分子非架橋ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸(グリシン、L-プロリン、L-リジン、L-アラニン、L-バリン、L-ロイシン)

ジャルプロクラシック

成分: 低分子非架橋ヒアルロン酸と4種類のアミノ酸(グリシン、L-プロリン、L-リジン、L-ロイシン)を配合。

スネコスと異なる比率でアミノ酸が配合されているのが特徴。

両製剤とも、配合されている成分が似ており、「ハリと弾力性の向上」「細かいしわの軽減」といった効果を謳っています。特に、肌質改善や肌のハリの回復に効果が期待されていますが、どちらが優れているという決定的なデータはなく、肌の状態や個々のニーズに応じて選ぶことが重要です。

PRP注射

PRP注射は再生医療の一種で、自己血液から抽出した成長因子を利用して行う治療法です。ECM製剤とは異なりますが、肌の再生や修復を促進する点で共通しています。

PRP注射は、まず自身の血液を採血によって採取し、採取した血液から多血小板血漿(PRP)を取り出します。取り出したPRPに、線維芽細胞増殖因子(FGF)を加えてオリジナルの製剤を作成し、手の甲などに注入する治療法です。

FGFは、成長因子(グロースファクター)の一種で、細胞の成長や、組織の再生を助ける役割を持ちます。皮膚の奥深くに働きかけ、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されると、手の甲の肌が健康的に見え、シワが目立ちにくくなる効果が期待されます。

ECM製剤がヒアルロン酸によって線維芽細胞を活性化させるのに対し、PRP注射では、成長因子(特にFGF)によって線維芽細胞を活性化します。

また、PRP注射は、特に自然な再生医療として、自己血液を利用するため安全性が高く、手の甲だけでなく顔や首などの皮膚にも適用できる点が特徴です。

4つの施術が比較できるように概要を表にまとめていますので参考にしてください。

 プロファイロスネコスジャルプロ
クラシック
PRP注射
ヒアルロン酸の
分子量
高分子 低分子低分子低分子
アミノ酸6種類4種類 
その他成長因子
価格6〜16万円3〜6万円4〜9万円14〜50万円
4施術の比較

生まれつきの手のシワ改善ならスマートスキンクリニックへ

ここまで生まれつき手のシワが多い人の肌の特徴や、しわを改善させる方法について解説してきました。

手は人によく見られるパーツなので、シワが多いと恥ずかしいと感じてしまいますよね。また、手を隠しながら生活することで、自分に自信が持てなくなる、そんな気持ちになるのではないでしょうか?

手のシワの改善には、セルフケアで予防しながら美容医療に頼って根本から改善させるという方法が、早く悩みを解決できる方法と言えるかもしれません。

一度施術を受けてみると、その変化に気づくことができるでしょう。

スマートスキンクリニックでは、ECM製剤の症例数も多く、カウンセリング、施術、アフターケアまでを一人の同じ医師が一貫して行っています。

無料のカウンセリングもしていますので、まずはクリニックでお話を聞かせてください。

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