【医師解説】手のシワをなくすにはどうすれば良い?効果的な方法教えます
「ケアしているんだけど、年齢を感じる手をどうにかしたい・・・」
「最近、手のシワや、筋、血管などが気になる・・・」
「手のシワが気になって、人に見られるのが恥ずかしい・・・」
「ネイルが映えるような、キレイな手になりたいな・・・」
こんにちは、美容皮膚科スマートスキンクリニックの医師です。
シワと言うと、いわゆる老化によって現れるもので、年齢を重ねる毎に増えていきます。
手は乾燥によってすぐに粗さ(ガサガサ)が現れたり、年齢を重ねるにつれて血管の浮き出しや筋が張ったように見えたりするので、シワがあると余計に年齢を感じさせてしまいます。
シワを見る度に気分が落ち込んだり、人目につきやすいパーツだからこそ、手のシワをどうにかしたいと悩んだりするのではないでしょうか。
結論から言うと、手のシワをセルフケアで解消することは難しいとされています。
厳密には、ちりめん小じわや将来のシワを予防するという目的であればセルフケアでも効果は期待できますが、既に定着しているシワの解消には美容医療が有効な手段であると考えられています。
この記事では美容皮膚科クリニックが、手のシワの原因やセルフケアでできる予防法、手のシワを改善する美容医療の施術について解説します。
手のシワに悩まれている方はぜひ参考にしてください。
手のシワとは?
手に現れるシワと言っても、手の平と手の甲に現れるシワがあります。
この記事では、シワがあることで年齢を感じやすい手の甲側のシワについて解説していきたいと思います。
手の甲に現れるシワには、横ジワや縦ジワ、ちりめん小じわなどがあります。
横ジワは、手を握ったり開いたりする動作や繰り返しの動作で形成され、指や手の甲全体、手の側面などに多く見られます。
縦ジワは手の関節部分や指と指の間に、ちりめん小じわは指や手の甲全体的に広く形成されます。
また、シワとは異なりますが、年齢に伴って手が痩せることで余った皮膚が寄ったりたるんだりしている部分がシワのように見えることもあります。
手のシワの原因
手にシワができる原因には大きく以下の4つがあります
- 加齢
- 乾燥
- 紫外線ダメージ
- 食生活や生活習慣の乱れ
①加齢
年齢を重ねると皮膚の弾力は低下し、皮膚の弾力の低下は手にシワをつくる主な原因になります。
若い頃の皮膚の内部では、線維芽細胞がコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの成分を豊富に産生し、肌の弾力を保っています。
しかし、年齢を重ねるとこれらの成分は減少し線維芽細胞の活性自体が衰えるため、肌の弾力が低下するのです。
このような加齢に伴う自然な変化の結果として肌の弾力が失われ皮膚が薄くなると、シワが形成されやすい状態になります。
②乾燥
乾燥も手にシワを作る原因の1つとなります。
手は元々皮膚が薄く乾燥しやすいため、シワが目立ちやすい部位になります。
また女性の場合は、家事で水や洗剤などの刺激にさらされる機会も多いため、皮脂が奪われやすく乾燥を助長します。
肌が乾燥すると水分が不足するので皮膚は硬くなり、折り目がシワとして残りやすくなります。
また、乾燥によって肌内部の水分が不足すると、細胞の新陳代謝が低下するので線維芽細胞の活性も低下します。
そうすると、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンの産生が減少するため、更に皮膚の弾力や保湿力を低下させシワを深く刻む悪循環を招きます。
③紫外線ダメージ
紫外線は肌の奥深くまで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊します。
これにより肌の弾力性が失われ、シワができやすくなります。また、紫外線は肌にフリーラジカルという有害な分子を作り出します。
フリーラジカルは、細胞を傷つけ炎症を誘発するため、たるみ、シミ、くすみなど、シワ以外の様々な老化現象を引き起こします。
④食生活や生活習慣の乱れ
食生活や生活習慣の乱れもシワの原因となります。
具体的には偏った食事や栄養不足、喫煙、ストレス、睡眠不足などの生活習慣の乱れのことを指します。
特に栄養面では、抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eが不足すると肌の老化が進行しやすくなるからです。
また、ストレスや睡眠不足は肌のターンオーバーを乱すため、くすみや乾燥を進行させシワが形成されるのを助長します。
今回、手のシワの原因を4つの具体的な原因として解説しました。
しかし、シワの根本にある原因は肌の内部(真皮層)にある細胞や組織の減少と、これらの機能の低下であることに気づいていただけたのではないかと思います。
手のシワは、加齢に伴う皮膚の生理的な変化に、乾燥・紫外線ダメージ・食生活や生活習慣の乱れが加わることで、相互に影響し合いシワ形成を加速させていきます。
セルフケアだけではシワを解消することは難しいですが、予防的な観点からも適切な保湿ケアと紫外線対策といったセルフケアは重要になります。
手のシワの予防方法(セルフケア)
手のシワを予防するには、次のことを意識すると良いでしょう。
- 刺激を避ける・除去する
- ハンドケア
- 紫外線対策
- 食事や生活習慣の見直し
- ネイル
①刺激を避ける・除去する
手のシワを引き起こす刺激には以下のものがあります。なるべく手をこれらの刺激にさらさないようにしましょう。
- 水や汗
- 刺激の強い洗剤や薬品、エタノール消毒
- 冷たい外気やお湯
水や汗は一時的に肌を潤すように見えますが、蒸発する際に肌内部の水分も一緒に持ち去るため、結果的に肌を乾燥させます。
また、洗剤やアルコールなどの薬剤は皮膚の天然保湿因子や皮脂膜を除去するので、皮膚を乾燥させると同時に皮膚のバリア機能を低下させます。
冬に手の乾燥や手荒れが進むのも、冷たく乾燥した外気にさらされることとお湯を使う機会が増えるからです。
冬の冷気は皮膚の血行を悪化させ、肌細胞は栄養不足になり代謝を衰えさせます。
その結果、コラーゲンなどの成分が減少し細胞の自己修復機能も衰えるためシワが形成されやすくなるのです。
このような理由から、刺激を避け・除去するためには次のことを心がけましょう
- 手に水分をつけたままにせず、きちんと拭き取る
- 洗剤や薬剤を使う場合は手袋をする
- なるべくお湯ではなくぬるま湯を使う
- 冷気にさらさず、手袋をつける
- 保湿ケアをこまめに行う
②ハンドケア
ハンドケアに関しては、ハンドクリームなどを用いた保湿ケアと、ハンドマッサージやストレッチなどによって血行を促す方法について解説します。
ハンドクリーム
ハンドクリームには含まれている成分によって、保湿効果とシワ改善効果があります。
保湿に有効な成分
- ヒアルロン酸:高い保湿力があり、肌に潤いを与える
- グリセリン:保湿効果が高く、肌の水分を保持する
- スクワラン:肌を柔らかくし、保湿効果を高める
- セラミド:皮膚のバリア機能を強化し、保湿効果を高める
- 尿素:乾燥を防ぎ、肌を柔らかくする
他にも、シアバター、カカオバター、ホホバオイルなどは肌に油膜を張ります。油膜によって水分の蒸発を防ぎ保湿効果を発揮します。
シワ改善に有効な成分
- レチノール(ビタミンA): コラーゲンの生成を促進し、ターンオーバーを促進
- ナイアシンアミド:肌を柔らかくし、シワ改善と美白効果が認められている成分
- コエンザイムQ10 : 強力な抗酸化作用で肌にハリツヤを与え、乾燥や手荒れを防ぐ
- ペプチド: コラーゲン生成の促進、肌の修復を助け皮膚の弾力性を向上させる
- ビタミンE : 抗酸化作用・血行促進作用・保湿効果によってバリア機能を強化する
ハンドクリームを効果的に使うためには次のようなポイントがあり、こまめに丁寧に塗るということが重要になります。
- 優しく塗り拡げる
- 爪の周りや指の側面にも丁寧に塗る
- 手洗い後や水仕事の後など、手が濡れた後は必ず塗る
新たなシワを増やさないためにも、こまめなケアを心がけましょう。
ハンドマッサージ・ストレッチ
ハンドマッサージやストレッチは、手の血行を促し皮膚の弾力を維持し、シワの予防に繋がります。
摩擦にならないように、オイルやクリームをしっかりと塗ってから行いましょう。
手の平全体を使って手の甲を大きくさすったり、指の付け根・指の間・手の平の中央を押したり揉みほぐしたりすると、血流が良くなり、リラックス効果も得られます。
③紫外線対策
手は洗ったり、汚れたり、擦れたりなど、日焼け止めクリームを塗っていても落ちやすい部位でもあります。
そのため基本的に紫外線クリームはこまめに塗り直すことが推奨されますが、塗り直しが難しい場合はUV効果のあるアームカバーをつけるなど紫外線対策をしましょう。
④食事や生活習慣の見直し
手のケアはクリームやマッサージ・ストレッチなどのハンドケアといった外側からのアプローチとともに、食事や生活習慣を整える内側からのアプローチも重要になります。
食事や生活習慣は肌の健康を支えると同時に老化に直接影響を与えるからです。
食事や生活習慣の見直しは、具体的に次のようなものになります。
- 栄養のバランスを見直す
- 喫煙や過度なアルコール摂取を控える
- ストレスをためない
- 睡眠時間を確保する
偏った食事や栄養バランスの悪い食事は、肌の健康に必要な栄養素を不足させる原因となります。
特にビタミンA、C、Eは抗酸化作用があり、これらが不足すると肌の再生能力が低下し老化が進行しやすくなります。また、タンパク質やオメガ3脂肪酸の不足は、肌の弾力性や保湿機能を低下させる可能性があります。
これらの栄養素は意識的に取るようにしましょう。
多く含まれる食材
- ビタミンA:レバー、にんじん、ほうれん草、さつまいも、ケール
- ビタミンC:オレンジやレモンなどの柑橘類、パプリカ、キウイ、イチゴ、ブロッコリー
- ビタミンE:ナッツ類、ほうれん草、アボカド、オリーブオイル、かぼちゃ
- オメガ3脂肪酸:サーモンやサバなど、クルミ、チアシード、フラックスシード、大豆製品
喫煙やアルコールは、細胞の働きを妨げたり、フリーラジカルを生成させたりすることから肌ストレスやダメージを与えます。
また、ストレスや睡眠不足は肌のターンオーバーを遅らせるので、なるべくストレスをためず、睡眠時間が不足しないような生活習慣を心がけましょう。
⑤ネイル
ネイルは直接的に手のシワ改善に効果を及ぼすわけではありませんが、自身のマインドを変え、ケアをする良いきっかけになります。
ネイルをしていると指先が明るくなり、つい何度も自分の手元を見ることが多くなります。
そうすると、指先だけでなく手全体をもっとキレイにしたいなと思うようになり、それがハンドケアをするきっかけやモチベーションとなるのです。
ネイルを見てハンドクリームを塗る機会が増えると、自然に手が保湿されます。
【手のシワをなくすには?】手のシワや老化現象に効果的な美容医療
ここまで手のシワを作る原因や予防法について解説しました。
最初にも述べましたが、セルフケアだけで刻まれたシワを解消しようとしてもその効果は期待できません。
そのため、今あるシワを改善させたい場合には美容医療に頼るのも良いでしょう。
スマートスキンクリニックでは、次の2つの施術をおすすめしています。
- プロファイロ
- PRPF注射
プロファイロ
手のシワに限らず、刻まれたシワに有効な施術に「プロファイロ」という注入系の施術があります。
プロファイロとは、非架橋ヒアルロン酸というヒアルロン酸製剤の一種です。
手の甲に施術する場合は、決められた10箇所に0.2〜0.4ccずつ注入するといった施術方法になります。
ヒアルロン酸には大きく2つの作用があります。1つは、水分を引き寄せ肌の保湿効果を高める作用。
2つ目は、細胞や組織を活性化させる作用です。
1つ目の保湿効果によってシワの原因となる乾燥が改善されるので、ちりめん小じわの解消が期待できます。
また、肌が潤うことでターンオーバーが促され、肌の柔軟性が増すとシワの予防につながります。
2つ目の細胞や組織の活性化では、加齢によって減少した線維芽細胞を活性化させ真皮層の組織を充足させます。
このように線維芽細胞が活性化され真皮層の組織が充足される効果を、ECMリモデリング効果と言います。
この働きは、手の甲の痩せた肌を弾力の増したふっくらとした肌へ変化するように導きます。
プロファイロは、ヒアルロン酸の保湿効果により施術後の早い段階で効果を感じられることが多いと言われています。副作用やダウンタイムがほとんど無いので、初めての方でも安心して試せるとして人気の施術です。
プロファイロをもっと詳しく知りたいと思った方は、こちらで詳細を解説しています。ぜひ参考にしてください。
PRPF注射
PRPFとは、ご自身の血液の一部を使った再生医療の一種です。
血液に含まれている細胞の成長・増殖を促す因子(成長因子)の働きを使って、少なくなった細胞や組織を増やし活性化させるといった治療になります。
PRPF注射でもECMリモデリング効果が期待できます。
シワの原因の根本は肌の内部(真皮層)にある細胞や組織の減少と、これらの機能の低下であることをお話しました。
つまり、PRPF注射は、加齢に伴い元気がなくなった肌を、本来ご自身で持っている成長因子などを使って、若かった頃の肌の状態に近づけようという治療になります。
もう少し具体的に注射の内容を解説すると、
PRPF注射は、ご自身の血液から取り出したPRP(多血小板血漿)に、FGF(線維芽細胞増殖因子)を添加したオリジナルの製剤を作り、それを手の甲に注入していくという施術になります。
PRP(多血小板血漿)とは
採血から得られた自身の血液を遠心分離機にかけ、抽出された血漿。この血漿の中には多くの成長因子が含まれており、単独のPRP療法としても再生医療の分野で注目されています
FGF(線維芽細胞増殖因子)とは
数ある成長因子の1つで、真皮層にある線維芽細胞の活性化を促す成長因子。線維芽細胞は真皮層にある他の細胞を生み出す細胞なので、線維芽細胞の増殖や活性化は真皮層全体の細胞の充足を促し、肌の弾力を自然に蘇らせます
PRPF注射は自己血を使用するのでアレルギー反応もほとんど無いと言われており、副作用やダウンタイムも比較的軽いとされています。
ただし、PRPF注射は細胞の活性化による自然治癒力を引き出す治療法となるため、効果を感じられるまでに少し時間を要するとされています。
手のシワにお悩みの方はスマートスキンクリニックへ
今回は手のシワについて解説しました。
手のシワの根本的な原因は、加齢によって現れてしまう肌の弾力の低下によるところが大きな原因でした。
そしてシワの程度は、乾燥・紫外線ダメージ・食生活や生活習慣の乱れによって加速されます。
また手はシワだけでなく、乾燥による粗さ(ガサガサ)、血管の浮き出しや筋張り、シミや加齢による色素沈着なども現れます。
手が年齢を感じやすいパーツと言われるのは、このような老化のサインが目立ちやすいからです。
手のシワに悩まれている方は、シワだけでなくこのような老化のサインも気になっているのではないでしょうか?
プロファイロやPRPF注射は、これらの老化のサインにも効果が期待できるとされています。
手のシワだけでなく、手を全体的に明るく若々しくしたいと考えられている方は、プロファイロやPRPF注射を検討されてみてはどうでしょうか?
どちらにしようか悩んだ場合は、以下を参考にしてもらえると良いかもしれません。
プロファイロ:即効性がありダウンタイムも短い。忙しい方におすすめ
PRPF注射:持続期間が長いので、長期的な改善を目指す方におすすめ
もっと詳しく知りたいという方は、スマートスキンクリニックにお気軽にご相談ください。
スマートスキンクリニックでは無料でカウンセリングも行っています。
よくある質問
Q:市販のハンドクリームは手のシワに効きますか?
ドラッグストアなどで販売されているクリームでも、「レチノール」や「ナイアシンアミド」の成分が含まれているクリームはシワ改善の期待ができるクリームだと考えられます。
しかし、注意しなければならない点として、ドラッグストアでは医薬部外品と化粧品の商品が混在して販売されているという点があります。
医薬部外品ではシワ改善の効果がある程度認められていますが、化粧品ではその効果は明確に認められていないという定義がされています。
「医薬部外品」の表記のあるものや、厚生労働省の認証マークがついているものなど、購入の際にチェックしてみて下さい。
Q:生まれつき手にシワが多いです。なくす方法はありますか?
生まれつき手のシワが多い人でも、基本的に手のシワに対するケアは生まれつきではない人の場合と同じ方法を適用することができます。
Q:手の毛穴はどうやったら目立たなくなりますか?
手の毛穴に関しては脱毛が有効な方法になります。
しかし、すでに脱毛していて毛が生えているわけではないのに、毛穴が目立つ場合もあります。
そのような場合にも、プロファイロなどのECMリモデリング効果が期待できる施術が毛穴を目立たせなくなると考えられます。