マリオネットライン|原因や予防、即効で消す方法を医師が解説

「マリオネットラインを即効で消す方法が知りたい」
「マリオネットラインが目立ち、不機嫌そうな印象を与えてしまう」
「マリオネットラインの原因や対策は?」

マリオネットラインについて、このような疑問やお悩みはありませんか?

こんにちは。美容皮膚科・スマートスキンクリニックの医師です。

今回は、マリオネットラインのお悩みについて、原因からホームケア、治療法まで、専門家の立場から分かりやすく解説します。

具体的な治療法やケア方法だけを知りたい方は、目次から該当箇所に飛ぶことができます。

目次

マリオネットラインとは?

マリオネットラインは、口角から下に向かって伸びるシワのこと。糸で操られるマリオネット人形の口元に似て、口の周りや顎の部分に目立つ線や割れ目があることから、こう呼ばれています。
加齢に伴いあらわれる症状です。

マリオネットラインの原因

マリオネットラインが形成される主な原因は、加齢に伴う顔の骨・筋肉・脂肪・皮膚の構造変化、紫外線、生活習慣です。
これらの要素がどのように影響を与えるかについて説明します。

筋肉の変化

マリオネットラインに最も影響を与えるのは、筋肉の変化です。これらの筋肉のゆるみや緊張、硬化が、マリオネットラインにつながります。

  • 直接関係がある筋肉:口輪筋・口角下制筋
  • 間接的に影響する筋肉:咬筋・広頚筋

口角下制筋

口角から顎にかけて伸び、口角を引き上げる役割を持つ筋肉です。
筋力の衰えや加齢による肌の弾力低下により、口角が上がりづらくなり、筋肉の境界線に深い溝が刻まれてマリオネットラインを生じます。

口輪筋

口輪筋は、唇の周りを取り囲むリング状の筋肉で、唇を閉じたりすぼめたりするときに使われます。
口輪筋は単独で機能しているわけではありません。筋膜と呼ばれる薄い組織によって周囲の筋肉や皮膚とつながっています。筋膜の役割は、口輪筋を包み込み、滑らかに動くようにサポートすることです。

加齢により口輪筋が衰えると、周囲の筋膜も同時に影響を受け、口元の支えが弱くなります。結果、皮膚がたるみやすくなり、マリオネットラインのような深いしわにつながります。

咬筋

咬筋は、耳の下からエラにかけて伸び、ものを噛むときに顎を動かす役割を担う筋肉です。顔の表情や輪郭に大きな影響を与えます。

咬筋自体がマリオネットラインを直接的に形成するわけではありませんが、咬筋の発達や緊張が、顔のたるみに影響を与えることも。

咬筋が強く発達している場合、エラが強調されやすくなったり、顎周りの脂肪や皮膚が下がりやすくなったりします。これが結果的にマリオネットラインを目立たせるため、注意が必要です。

広頚筋

広頚筋は首の前側にある薄い膜状の筋肉です。広い頸(首)の筋肉という名前の通り、顎から胸までの広い範囲に位置します。顔と首の筋肉は連動しているため、広頚筋も顔の筋肉に影響します。

広頸筋の役割は、首から顎にかけての皮膚を引き上げ、張りを維持すること。しかし、加齢により広頸筋が衰えると、首や顎の皮膚がたるみやすくなります。顔全体の皮膚が下がりやすくなり、口元や顎周りにたるみが生じ、マリオネットラインが目立つようになる可能性があります。

広頸筋が衰える原因は、加齢だけではありません。姿勢の悪さも一因です。 特に、スマホやパソコンを操作する際は、前傾姿勢に注意しましょう。

皮膚の変化

皮膚は表皮、真皮、皮下組織の三層から成り立っています。加齢が進むと、皮膚にはさまざまな変化が生じます。 

  • ハリ・弾力の低下
  • 水分保持力の低下

まずは、真皮にあるコラーゲンやエラスチンといった肌のハリと弾力を保つ成分の減少・変性です。肌がたるみ溝ができ、特にマリオネットラインのような深いしわが生じやすくなります。

また、皮膚の水分保持能力の低下、乾燥しやすさも実感しやすいでしょう。肌表面にある角層の水分が不足すると、肌は硬くざらついた質感になり、きめが乱れてしまいます。この状態では、光の反射が不均一になり、しわやマリオネットラインがより目立ちやすくなります。

脂肪の変化

脂肪は皮膚の下、筋肉の上に位置します。頬や目の下、口周りには脂肪の塊が存在し、顔の輪郭を形成しています。しかし、加齢とともに脂肪が萎縮したり、位置が下がったりすることで、顔の輪郭が変わり、たるみが生じます。

  • 脂肪の萎縮
  • 脂肪の下垂

マリオネットラインに直接影響を与える脂肪の塊は、頬に位置する分厚いバッカルファットです。顔の丸みを作る重要な役割を担っていますが、加齢とともに下がることで頬が垂れ下がり、マリオネットラインが目立ちやすくなります。

なお、顔の脂肪が多いと、マリオネットラインができやすくなります。

骨の萎縮

骨は皮膚や筋肉を支える土台ですが、年齢とともに骨の密度は減少し萎縮します。

マリオネットラインに関係する顎や頬の骨が小さくなることで、皮膚や脂肪を支える力が弱くなり、皮膚が余り、たるみやすくなります。このため、マリオネットラインが形成されやすくなります。

生活習慣

生活習慣によっても、マリオネットラインは生じやすくなります。
たとえば、以下のようなものが挙げられます。

  • 紫外線対策不足による皮膚の劣化
  • スマホ姿勢
  • 無表情
  • 片側で噛む癖・頬杖をつく癖
  • 歯ぎしり・食いしばり
  • 歯並び・かみ合わせの悪さ

紫外線対策不足による皮膚の劣化

マリオネットラインはたるみにより悪化しますが、たるみを引き起こすのは紫外線の9割を占めるUV-Aです。UV-Aはガラスを通り抜け、真皮の中まで届き、コラーゲンやエラスチンを変性させます。
老化の8割は紫外線と言われており、室内で過ごしていてもマリオネットラインが生じる原因に晒されていることを忘れないようにしましょう。

スマホ姿勢

姿勢の悪さもマリオネットラインに直結します。特にスマホの使い過ぎには要注意。背中を丸め、顔が斜め前に倒れた姿勢をとっていると、口元から首にかけての広頚筋に力が入りにくい状態に。その結果、顔の筋肉がたるんでしまいます。

無表情でいることが多い

誰でも真顔になると自然と口が「への字」になってしまうもの。無表情でいると口周りの筋肉や頬が下がり、マリオネットラインにつながります。口角は意識しないと下がる一方です。
マスク生活で表情の大切さを痛感した人も多いことでしょう。

片方で噛む癖や頬杖をつく癖がある

食事のときに片方で噛む癖があると、左右の頬の筋肉がアンバランスになります。また、頬杖をつく癖がある人は、片側の頬に負担がかかり、筋肉の働きに差が出ます。その結果、一方の皮膚がたるみマリオネットラインの原因となります。

歯ぎしり、食いしばり

寝ている間の歯ぎしりや食いしばりがあると、顎を動かす咬筋が収縮し発達します。また、口角を下げる口角下制筋も緊張し、硬くなります。

結果、口角が下がり、口元の皮膚がたるみ、マリオネットラインが目立ちやすくなります。

歯並び・かみ合わせの悪さ

嚙み合わせが悪いと口の周りの筋肉のバランスが崩れます。口周りの筋肉に左右差が出ることにより皮膚のたるみが生じ、マリオネットラインが現れやすくなってしまいます。

マリオネットラインを改善・予防するホームケア

マリオネットラインの予防や治療効果を維持するためには、以下の方法がおすすめです。

  • 正しい姿勢と筋肉の使い方を心がける
  • 保湿と紫外線対策
  • 栄養バランスの良い食事

マリオネットラインの影響は複合的に影響しあうため、改善や予防にも多面的なアプローチが必要です。

正しい姿勢と筋肉の使い方を心がける

マリオネットラインの改善や予防には、正しい姿勢や筋肉の使い方を身に着けることがポイントです。

深く刻まれたマリオネットラインをホームケアで改善することは困難ですが、マリオネットラインに関わる筋肉を鍛えることで、軽度のたるみ改善や予防につながります。筋肉は年齢を重ねても鍛えることができます。美しいフェイスラインや上向きの口角を目指しましょう。

  • スマホ利用時の姿勢:椅子に座り、足の付け根に手を置いて、胸を張り、スマホ画面は目線の高さに合わせる
  • パソコン利用時の姿勢:椅子に深く腰かけ、足裏全体が床に接するように座る。ディスプレイは目線と同じ~やや下になる高さで、40cm以上距離をあける
  • 休憩:1時間に1回は休憩をとり、筋肉を休める
  • 口元のエクササイズ:鏡を見ながら「あいうえお」と声を出す。口角がきちんと上がっているかをチェックしながら行う
  • 首のエクササイズ:首をゆっくり前後左右に傾け伸ばす。

保湿と紫外線対策

どのようなスキンケアも保湿が基本です。水分や油分を補い皮膚表面のしなやかさを保つことで、たるみによって生じた皮膚の溝が目立ちにくくなります。

紫外線対策は、外出時の日傘やサングラスはもちろん、家の中にいるときでも日焼け止めの塗布を忘れないようにしましょう。紫外線の影響は浴びた瞬間にはわかりにくいものの、皮膚の内部で徐々に変化をもたらします。

栄養バランスのよい食事

食生活は、肌状態にも影響を及ぼします。栄養バランスが崩れると皮膚だけでなく骨や筋肉の代謝や修復力も衰え、たるみやむくみにつながります。

肌を構成するタンパク質、ビタミンAはもちろん、食物繊維やミネラル、水分摂取も忘れずに。

何を食べたらよいかわからないという人は、簡単な栄養管理アプリを活用するのもよいでしょう。

マリオネットラインをカモフラージュするメイク

自分の肌よりも明るめのコンシーラーを口角の下に塗り、上に向かって優しく指でぼかしましょう。マリオネットライン全体に塗ってしまうと、コンシーラーが溝に溜まり、かえって目立ってしまいます。

マリオネットラインに視線が集まらないよう、顔の上半分にメイクのポイントを置くとよいでしょう。例えば、チークやハイライトを高い位置にすると自然にカモフラージュできます。

マリオネットラインをケアする化粧品

マリオネットラインはたるみのひとつです。たるみの原因は皮膚だけでなく筋肉や骨も関わるため、根本的に改善できる化粧品はありません。

日常的なスキンケアには、深いシワに効果のある薬用化粧品を用いるのもよいでしょう。

深いシワの改善効果が認められている美容成分には、「レチノール」「ナイアシンアミド」「ニールワン®」「ライスパワー®エキスN0.11」などがあります。

いずれもコラーゲンの生成を促す効果が期待できます。

マリオネットラインの治療の種類

マリオネットラインを解消するための治療法を一覧表にまとめました。

項目ジュベルックボリューム(レニスナ)注射ショッピングリフトゴウリ(GOURI)注射プロファイロ注射PRPF注射切開リフト(フェイスリフト)
治療の説明非架橋ヒアルロン酸とポリ乳酸を配合した製剤を注入主にPDO(ポリジオキサンオン)でできた極細の溶ける糸を挿入PCL(ポリカプロラクトン)を液状化した製剤を注入高分子と低分子のヒアルロン酸を配合した製剤を注入自己血液から抽出したPRPに成長因子を加えたものを注入皮膚を切開し、余分な皮膚を除去する
効果コラーゲン生成促進・ハリやツヤの向上コラーゲンやエラスチンの生成促進・自然なリフトアップ・肌のハリやツヤの向上コラーゲン生成促進保湿・ハリや弾力性の改善・自然なボリューム増加コラーゲンやエラスチンの生成促進・皮膚の厚み改善マリオネットラインを含む口元・顔全体のリフトアップと若返り
効果の発現時期2~3週間後施術直後から徐々に数日後から徐々に数日から数週間後、ピークは1か月後2〜4週間後、ピークは3~6か月後施術直後  
効果の持続期間1~2年1年~1年半6ヶ月~1年6ヶ月~1年5年5~10年  
ダウンタイム24時間/痛み・赤み・腫れ・内出血数日/軽度の腫れ・赤み・内出血24時間/赤み・隆起・内出血24時間/膨れ・赤み・腫れ・内出血数日/軽度の腫れ・赤み・内出血 2~3週間/腫れ、内出血、突っ張り感  

ジュベルックボリューム(レニスナ)注射

ジュベルックボリューム(レニスナ)は非架橋ヒアルロン酸とポリ乳酸(PDLLA)を組み合わせた注入薬剤です。

ジュベルックに比べ粒子が大きく、肌の深いところで働きボリュームアップが期待できます。コラーゲンやエラスチンの生成が促進され、マリオネットラインのような深いシワに効果的です。

ショッピングリフト

ショッピングリフトは、溶ける糸を皮膚に挿入する切らない治療です。
糸が吸収される過程でコラーゲンが生成され、長期的にマリオネットラインを改善します。

ゴウリ(GOURI)注射

ゴウリ注射は、PCL(ポリカプロラクトン)を含む液状化された注入製剤で、リフトアップやたるみ改善、特にマリオネットラインの改善に効果的です。

PCLは医療用糸として使われ、体内で徐々に分解されることでコラーゲン生成を長期間にわたって促進し、たるんだ部分を引き締めます。

プロファイロ注射

高分子と低分子のヒアルロン酸を高濃度に配合し、肌の深層に働きかけることで、弾力を取り戻します。

口元の深いシワやたるみ、マリオネットラインなどの目立ちを軽減する効果が期待できます。

 PRPF注射

患者様ご自身の血液をもとにしたPRP(多血小板血漿)に、FGF(コラーゲンなどを生み出す線維芽細胞の増殖因子)を添加した製材を用いた再生医療です。マリオネットラインやほうれい線といったしわ改善、肌の若返りなどに長期的な効果が期待できます。

ご自身の血液を用いて自己組織の再生を促進するため、異物の注入やメスを入れることに抵抗がある方におすすめです。当院では、PRPFの濃度や注入量を患者様ごとにカスタマイズしています。

PRPF注射については、以下の記事もご参照ください。

切開リフト(フェイスリフト)

皮膚を外科的に切開し、たるみを引き上げる手術です。
過剰な皮膚を除去し、皮膚と筋肉を引き締めることで、深刻なマリオネットラインに長期間の効果をもたらします。

マリオネットラインの治療で失敗を避けるためのポイント

  • クチコミをチェック
  • 料金体系をチェック
  • 医師のカウンセリングを受ける

マリオネットラインの治療で失敗を避けるためには、治療前の準備が大切です。

クリニック選びでは、料金、口コミをチェックしましょう。口コミでは、治療効果はもちろん、医師によるカウンセリングの有無や事前の治療の説明は適切か、勧誘は無いかもポイントです。

なお、カウンセリング代や針代、麻酔代、アフターケア代などの有無はクリニックにより異なります。2回目以降も含め、1クールの総額も確認しておくと良いでしょう。

マリオネットラインについてのよくある質問

痩せるとマリオネットラインは改善する?それとも悪化する?

マリオネットラインの原因のひとつである脂肪が小さくなると、マリオネットラインは目立ちにくくなるでしょう。ただし、急激に痩せると、脂肪が小さくなったぶん皮膚が余り、マリオネットラインができやすくなります。緩やかに痩せることで、皮膚の収縮が追いついて余りにくくなるでしょう。

マリオネットラインを即効で消す方法は?

マリオネットラインを即効で消すには、製剤でシワの凹みを充てんする方法、糸リフトや切開リフトで皮膚を引き上げる方法などがあります。ただし、治療効果だけでなく、ダウンタイムや傷の有無、効果の持続期間などを考慮して治療法を選択しましょう。

マリオネットラインのお悩みはスマートスキンクリニックへ

マリオネットラインは皮膚や筋肉の衰えと関係しているため、年齢を重ねるとあらわれやすくなります。

マリオネットラインを改善するには美容治療が効果的ですが、効果を維持するにはメンテナンスやセルフケアも大切です。症状に合った、なるべく続けやすい治療を選択しましょう。

当院では美容カウンセラーを置かず、医師が直接カウンセリングを行い、最適な治療を提案します。コスト削減を心がけ、選りすぐりの製剤を用意し、無理な勧誘はいたしません。

マリオネットラインでお悩みの方は、一度ご相談ください。

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