【医師解説】頬コケ(頬がこける)を徹底解説！〜原因・改善方法・効果的な施術とその特徴〜

こんにちは、美容皮膚科スマートスキンクリニックの医師です。

顔の丸みがなくなって顔の骨格が目立つようになると、このように感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか？

年齢を重ねると脂肪が減り、皮膚のハリや弾力が低下することから、顔のふっくらとしたボリュームがなくなってきます。そうすると、顔が骨ばって見え、頬がこけるということが起きてきます。

頬コケの根本的な原因は加齢による体の変化によるものですが、他にも様々な要因が影響し合って生じています。

この記事では、

• どうして頬がコケるんだろう？
• どうにか頬コケを治せないかな？
• 昔のようにふっくらとした若々しい顔になりたい

といった疑問やお悩みを解決できるように、美容皮膚科クリニックが分かりやすく解説しています。
頬のこけに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
(具体的な施術について早く知りたい方は、目次から直接ジャンプできます)

頬コケとは

頬コケとは、頬のボリュームが少なくなり、頬骨や顔の輪郭が目立つようになることを指しています。

実際に頬にくぼみや影ができるほどコケていなくても、顔全体が痩せてきた、疲れた印象・やつれた印象などがあると、頬コケということを意識してもいいかもしれません。
頬がコケると痩せて骨ばって見えるだけでなく、口元のシワや顔の影が目立ってくるので、実際よりも老けてみられることがあります。

頬コケの主な原因は加齢による体の変化ですが、生活習慣も大きく関係しています。まずは、その原因を詳しく見ていきましょう。

頬がコケる原因

頬がコケる原因には以下のようなものがあります。

1. 脂肪の減少
2. 皮膚の老化とたるみ
3. 筋肉の衰え
4. 骨格の変化

それぞれ解説致します。

①脂肪の減少

顔のボリュームは主に皮下脂肪によってつくられています。よって、顔の脂肪が減少すると頬がコケたように見えます。

顔の脂肪が減少する原因には加齢、過度なダイエット、生活習慣などがあります。

そもそも、年齢を重ねていくと自然な体の変化として、顔の深い層にある脂肪が徐々に萎縮します。そこに、過度なダイエットや偏った食生活、過度な飲酒・喫煙などが加わると脂肪の減少を加速させます。

②皮膚の老化とたるみ

肌の弾力性やハリは、皮膚の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンなどの繊維状のタンパク質によって維持されています。

しかし、加齢や紫外線などの影響で、これらのタンパク質が減少したり衰えたりしてくると、皮膚が薄くなりだんだんとたるんできます。すると今まで頬部分にあったものが重力の影響で下方にたれてくるので、頬がくぼんでいるように見えます。

③筋肉の衰え

顔の表情をつくる表情筋は、皮膚・脂肪のさらに下(深部)にあり、皮膚や脂肪を内側に引き寄せています。

筋肉が衰えると、引き寄せる力が弱くなり徐々に伸びていき、次第にたるんでいきます。そうすると頬がたるみ、頬がコケるということになるのです。

筋肉量は加齢とともに自然に低下しますが、その他にも使わないことによる筋肉の萎縮や、姿勢や癖などの影響で片方の頬だけがコケやすくなることがあります。

④骨格の変化

骨は年齢を重ねるにつれて骨密度が低下し、骨格が萎縮します。分かりやすく言うと、骨の厚みが薄くなり、顔の骨のサイズが全体的に小さくなるという感じです。

土台となる骨のサイズが小さくなることで、骨の上にのっている皮膚・脂肪・筋肉は余り、重力によって下方にたれてくるということが起こります。

頬がコケる原因は、生活習慣や自宅でできるケアによって改善できるものもあります。バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理、禁煙、紫外線対策などは、頬のこけを予防・改善するために重要です。
自宅でできるホームケアや生活習慣などを見直してみましょう。

頬コケを改善させるためのホームケア

頬コケを改善させるための、自宅でできるホームケアや生活習慣には以下のことがあります。

1. 食生活の見直し
2. 紫外線対策
3. ストレス管理
4. 適度な運動

それぞれ解説致しますね。

①食生活の見直し

栄養バランスの偏った食生活は、皮膚の老化をはやめます。
タンパク質、ビタミン、ミネラルなどは、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力やハリを支える成分の生成に必要な栄養素です。

• 過度なダイエット
• 炭水化物中心の食生活
• ファストフードやインスタント食品の頻繁な摂取

このような食生活になっていないか、振り返ってみましょう。

②紫外線対策

紫外線は肌の奥にまで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊すると、肌を老化させます。適切な紫外線対策をすることで肌の柔軟性を保ち、たるみや頬のこけを防ぐことができます。

日焼け止めや帽子・日傘での紫外線対策を行うと同時に、抗酸化作用のある食品を摂取して、紫外線で受けた肌ダメージを軽減できるようにするとより良いですね。

③ストレス管理

慢性的なストレスはホルモンバランスを乱し、肌の老化や脂肪減少を促進させます。また、ストレスによって喫煙やアルコールの過剰摂取、睡眠不足など、さらに肌を老化させる悪循環に陥ってしまうことがあるので、ストレス管理は重要です。

ご自身に合ったストレス解消方法をおこないながら、ストレスをためない生活を心がけましょう。

④適度な運動

適度な運動は血行を促進し筋肉を維持・強化するので、頬コケを改善するのに役立ちます。
例えば、顔のエクセサイズ、全身の筋力トレーニングや有酸素運動、ストレッチやマッサージなどです。

しかし、注意点がいくつかあります。
激しすぎる運動は筋肉や脂肪の減少を招く可能性があります。
また、頬のストレッチやマッサージはやり方を間違えるとたるみを助長することになります。

適度な運動量と適切なマッサージ方法を心がけましょう。

頬コケ改善に有効な３施術の概要｜脂肪注入・ヒアルロン酸注入・肌育製剤

頬コケを改善するために効果的なアプローチ法には

1. 少なくなった頬のボリュームを直接充填する方法
2. 薄くなってハリと弾力を失った肌に、厚みやハリ・弾力を取り戻させ、肌そのものをふっくらさせる方法

という２つのアプローチ方法があります。

前者には、脂肪注入とヒアルロン酸注入が該当し、長年にわたり行われてきた実績のある施術です。

後者には、最近SNSで話題になっている『肌育製剤』が該当します。

肌育製剤とは、その製剤を注入(注射)することで、注入された部位周辺の肌の肌質を改善させることができる製剤です。
肌質改善の作用は各製剤によって異なりますが、どの製剤も真皮層の組織に働きかけ、肌のキメ、ハリや弾力などを改善させることが共通の効果として挙げられます。

大まかに各施術の違いが頭に入っている方が理解しやすいと思うので、こちらの表を参考にしてください。詳細については後述します。

	脂肪注入	ヒアルロン酸注入	肌育製剤
ボリュームアップ効果	高い 大きなボリュームアップが可能	中〜高 注入量を調整可能	低い ボリュームアップ効果は限定的
施術の手軽さ ダウンタイム	手軽ではない 脂肪吸引が必要なため手術が必要 ダウンタイムが長い	手軽 注射のみで施術可能 ダウンタイムが短い	手軽 注射のみで施術可能 ダウンタイムが短い
費用	高め 脂肪吸引と注入の手術費用がかかる	中程度 一回の費用は脂肪注入より低いが、継続的な施術が必要	中〜高 製剤や施術回数による
効果発現までの時間 (即効性)	比較的即効性あり ただし、腫れが引くまで時間がかかる	即効性が高い 施術直後から効果を実感	徐々に効果が現れる 数日〜数週間で効果を実感
効果持続期間 (持続性)	長い 定着した脂肪は半永久的に持続	中程度 約6ヶ月〜1年程度の持続	中程度 効果は数ヶ月持続
仕上がりの自然さ	自然だが左右差のリスクあり 定着率により結果が変動する	自然 適切な量と部位であれば自然な仕上がり	非常に自然 肌質が改善され、自然な若返り効果
施術者の技術の重要性	非常に高い 脂肪の採取・注入技術が結果を左右する	高い 適切な部位・深さへの注入が必要	中程度 基本的な注入技術が必要
肌質改善効果	多少あり 脂肪に含まれる幹細胞により肌質改善の可能性	限定的 主にボリュームアップが目的	高い 保湿やハリの向上など、肌質改善効果が大きい
その他の特徴	– 脂肪の定着率に個人差がある -手術リスクがある	– 必要に応じて溶解が可能 -血管注入リスクがある	-基本的に複数回の施術が推奨される

頬コケ改善に有効な施術｜①脂肪注入

脂肪注入とは？

脂肪注入という施術は、まずご自身の体の余分な脂肪(腹部、おしり、ふとももなど)を吸引し、その後採取した脂肪の中から不純物を取り除いた脂肪を、ボリュームの少なくなった部位に直接注入してボリュームを回復するという施術です。

自分の脂肪を使用するため自然な仕上がりが期待でき、アレルギー反応のリスクも低いとされています。

脂肪注入のメリット・デメリット

脂肪注入のメリットは、自身の脂肪を使用するので触感や見た目が自然で、拒絶反応やアレルギーの心配がほとんどない点です。
また、注入した脂肪が定着すれば、その効果は半永久的に持続します。

脂肪注入とセットで脂肪吸引も行われることになるので、部分痩せ(ボディラインの改善)が可能です。

脂肪細胞の中には幹細胞が含まれているので、幹細胞によって注入された部位の肌質が改善される効果も期待できます。

脂肪注入のデメリットは、施術が麻酔を使って行う手術という点です。
それは、麻酔に伴う合併症や術後の感染症・出血、血管内塞栓(脂肪塞栓：脂肪が血管内に入り、血流を妨げる危険な状態)などのリスクを伴うことを意味しています。

また、脂肪の吸引(採取)・注入という２つの工程が必要となります。つまり、２箇所で体に負担をかけることになるのでその分ダウンタイムも長くなりますし、費用も高額になります。

注入した脂肪の定着率には個人差があり、同じ個人の場合でも左右の部位でも定着率に差が出る場合もあります。

脂肪注入は、施術者の技術と術後のケアが非常に重要です。施術者の技術が結果に大きく影響するため、信頼できる医師を選ぶことが重要です。

脂肪注入がおすすめな人

脂肪注入はきちんと定着すれば、長期的な効果が期待できます。脂肪を採取することが前提となるので、痩せ型の人には適応が難しい場合もありますが、部分痩せも望んでいる場合にはおすすめできる施術になります。

術者の技量が結果に大きく関わるので、信頼できる医師を選び、十分にカウンセリングをしてリスクとデメリットについても納得できる場合は、脂肪注入を検討しても良いでしょう。

頬コケ改善に有効な施術｜②ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入とは

ヒアルロン酸注入は、医療用に製造されたヒアルロン酸製剤を頬のこけた部分に注入し、ボリュームを回復させる施術です。
ボリュームを足したい部分に注射器で注入するだけなので、比較的手軽な施術とされています。

頬だけでなく、唇・額・こめかみなど、顔の様々な部位に注入されるポピュラーな施術です。

ヒアルロン酸注入のメリット・デメリット

ヒアルロン酸注入のメリットは、その即効性と手軽さにあると言えます。
注入直後から効果を実感でき、施術の時間も30分程度です。ダウンタイムがほとんどなく、施術当日でも日常生活に大きな支障をきたすことがありません。

必要に応じて追加注入や微調整ができ、注入しすぎた場合は溶解剤で除去することもできます。

ヒアルロン酸注入のデメリットは、効果の持続期間が6ヶ月から1年程度という点です。
個人差はありますが、注入されたヒアルロン酸はゆっくりと吸収されます。

特に頬はよく動かされる部位なので吸収される速度もはやいと考えられます。

効果を維持させるには定期的に注入する必要があります。

他にも、ヒアルロン酸の注入量が多すぎると、過度なボリュームで不自然な「ヒアル顔」と呼ばれる状態になることがあります。

また、ヒアルロン酸が均一に分布しないと、しこりや皮膚の凸凹が生じることがあります。
自然な仕上がりにするためには、医師のデザイン力が重要です。

最後に、リスクとして最も重要なことに血管内注入のリスクがあります。血管内注入の頻度は高くはないかもしれませんが、起こってしまうと血流障害や皮膚の壊死を引き起こす可能性があるので、経験豊富で信頼できる医師を選ぶ必要があります。

ヒアルロン酸注入がおすすめな人

ヒアルロン酸注入は、施術後すぐからボリュームアップを実感でき、施術時間・ダウンタイムが短く、痛みも少ないという手軽に受けられる施術です。

効果は一時的で、維持するためには定期的に注入する必要はありますが、脂肪注入するほどのコストをかけられない、吸引できる脂肪もないという痩せ型の人にはおすすめです。

ただし、術者によるデザイン力やリスクを起こさせない技術力も必要となるので、信頼できる医師を選ぶことが重要となります。

頬コケ改善に有効な施術｜③肌育製剤

肌育製剤とは

肌育製剤とは、注入された製剤が肌内部のコラーゲンやエラスチンの生成を促進し、肌のハリや弾力を取り戻すことを目的とした美容施術です。
肌そのものを育てることに特化しており、肌のハリを内側から高めることで、頬のこけた部分をふっくらとさせる効果があります。

肌育製剤自体で直接的にボリューム補填するわけではありませんが、コラーゲン生成によるボリュームアップが期待できます。

肌育製剤と言っても、様々な種類の製剤があります。その中でも頬コケに有効と考えられているのは「プロファイロ」「レニスナ」「GOURI(ゴウリ)注射」などです。

基本となる肌育製剤の作用は共通していますが、各製剤の主成分などは異なるので、製剤ごとにそれぞれ特徴があります。

「プロファイロ」「レニスナ」「GOURI(ゴウリ)注射」について詳しく知りたい方はこちらを参照してください。

肌育製剤のメリット・デメリット

肌育製剤のメリットは、周囲に”何かした”とばれないという点です。
肌育製剤は肌を育てる施術なので、急激なボリュームアップは期待できません。しかし逆に言うと、ゆっくりと肌質が改善され自然なエイジングケアができます。頬のコケ以外にも、シワやたるみ、くすみなど複数のお悩みを持たれている方には一度の施術で改善効果が期待できます。

製剤に使用される成分は生体適合性が高い成分であることが多いので、アレルギーの心配も少ないと考えられています。

また、注射による施術なのでダウンタイムが短く手軽に受けることができます。

肌育製剤のデメリットは、深い頬コケには向いていないという点です。
肌育製剤の中には即時的にボリュームアップできる製剤もありますが、基本的には薄くハリのなくなった肌を育てて、ふっくらさせるというコンセプトと考えて良いでしょう。

また、注入された製剤も吸収されると効果がなくなります。
効果の現れ方や持続期間にも個人差があり、効果を維持するためには定期的に施術を受ける必要があります(施術の間隔は製剤によって異なります)。

肌育製剤がおすすめな人

肌育製剤は、頬コケの程度が軽度〜中等度で、肌の質感やハリを改善し、自然な若々しさを取り戻したい方におすすめです。

ダウンタイムやアレルギー、副作用のリスクなどが少ないので手軽に始められます。

頬コケがそこまで深刻でない場合は、肌育製剤を最初の施術として取り入れ、経過を見ながら他の施術を検討するのも良いのではないかと思います。

高周波治療や糸リフトが有効な施術に入っていない理由

頬コケ改善に有効な３施術として、脂肪注入、ヒアルロン酸注入、肌育製剤を挙げました。

例えば「頬コケ　改善」などで検索した場合、この3施術の他に高周波治療(HIFU)や、糸リフトなどの施術も有効な施術の候補に上がっているのを目にしたことがあるかもしれません。

なぜこの記事で高周波治療や糸リフトが有効な施術の候補に入っていないかについて説明したいと思います。

結論から言うと、高周波治療や糸リフトはたるみ治療で用いられる施術で、頬コケを改善する根本的な治療にはなりにくいと考えているからです。

まず、高周波治療と糸リフト、それぞれの治療を簡単に解説しますね。

高周波治療は、高周波のエネルギーを肌に照射し、その照射されたエネルギーが皮下組織を加熱し、たるんだ肌をキュッと引き締めるといった施術になります。
生のお肉を調理する際に、火を通すとお肉が縮むのと同じ仕組みですね。

糸リフトは、医療用の特殊な溶ける糸を皮下に挿入し、物理的に皮膚を引き上げてたるみを改善させる施術です。

この高周波治療と糸リフトが、頬コケ改善として候補に上がっている理由は、この施術を通し肌の真皮層にあるコラーゲンが刺激され増生される効果があるからです。

しかし、この効果は頬コケの改善が期待できるほど大きくはなく限定的だと考えられます。

また、皮膚が引き締まることで、逆に頬のボリューム不足が強調され、こけた印象が増す可能性があります。

このような理由から、この記事では高周波治療や糸リフトを有効な施術からは除いています。

スマートスキンクリニックが肌育製剤をおすすめする理由

ここまで”頬コケ(頬がこける)を徹底解説！”ということで、頬コケの原因や、自宅でできる改善方法、有効な美容施術について解説してきました。

最初の
「どうにか頬コケを治せないかな？」
「頬コケを治す方法を知りたい」
というお悩みに、当院としてお答えするとするならば、

「肌育製剤も有効な選択肢の一つです」となります。

理由は、本文中でもお伝えしましたが、

• ホームケアだけではコケてしまった頬を改善することは難しい
• 脂肪注入やヒアルロン酸注入はリスクがあり、信頼できる医師を探す必要がある
• 肌育製剤は比較的コストが低い
• 肌育製剤だけでも感じられる変化があるからです

スマートスキンクリニックでは、無料でカウンセリングも行っています。

「自分の場合はどうだろう？」「もう少し詳しく話を聞きたいな」という方でも歓迎です。

頬コケに悩まれている方は、ぜひお気軽にご相談ください。